篠山市と兵庫医大の「健康調査」スタート 特定健康診断「事業協力を」

2012.05.31
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 篠山市内の国民健康保険加入者を対象にした特定健康診断 (メタボ健診) が5月25日、 丹南健康福祉センター でスタートした。 今年度から兵庫医科大学と同医大ささやま医療センター、 市が連携し、 市民の健康向上のため、 健診結果などを5年間に渡って追跡調査する取り組みを展開しており、 数分の調査に同意した人には、 通常、 有料の検査が無料で行えるが、 事業を知らない人も多く、 同意者数は“スロースタート”。 関係者らは、 「市民のみなさんにとっても必ずメリットがある事業。 ぜひ協力してほしい」 と呼びかけている。

 調査の対象者は40―64歳の国保加入者で、 市内で健診に訪れる人は約1000人。 調査に同意すると、 通常の健診とは別に容器1本分 (9) の採血を行うほか、 生活習慣に関するアンケートを記入する。

 篠山で生活する人がどのような健康状態にあるかを調べるため、 新たに採った血液からは、 脂肪酸と総コレステロールを検査する。

 脂肪酸の結果からは、 魚などに含まれる 「DHA」 など健康に良い脂肪酸や、 体に害を及ぼす悪い脂肪酸の有無がわかるため、 食事や健康管理のアドバイスにつなげる。 コレステロールは、 現在の健診では、 数値が高ければ心筋梗塞などを起こすリスクが高いとされる“悪玉”のみを対象としているが、 “善玉”も含めた総コレステロール検査は行われていない。  同医大によると、 ともに通常の健診では検査されることがなく、 個人で検査を受ける場合、 数千円の費用がかかるという。

 アンケートでは、 篠山市特有の生活習慣と健康の因果関係を研究するために、 黒豆や黒豆加工品の摂取についての質問項目も設けた。 これまでの検査では、 予想通り枝豆や黒豆きな粉を食べている人が多く、 健康状態との因果関係を調べていく。

 事業内容について知らない人もおり、 同意した人は、 初日の25日は全受診者の4割程度にとどまった。 翌日からは、 関係者らが事業をわかりやすく記したチラシを配るなどして徐々に同意者数は増えているという。

 事業を実施している兵庫医大 (環境予防医学) の東山綾助教は、 「みなさんの健康づくりや、 高齢の方にとっても生き生きと暮らせる社会をつくることを追求していく手段の一つ。 事業を理解してもらい、 協力をお願いしたい」 と話している。

 健診は、 2月まで同センターで行われている。

 

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