消費増税関連法案が可決  ―まちの声―

2012.06.28
ニュース

 消費税引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革関連法案は6月26日、 衆議院本会議で可決された。 市民は国会の動きをどうみるのか、 まちの声を聞いた。

  「消費税が上がるのはしようがない」 と話すのは、 丹波市の会社員女性 (41)。 「確かに家計としてはしんどいけれど、 これから安心して子どもを産んで、 育てられるのだろうかと考えた時、 社会保障を支える将来の財源を、 消費税以外のどこで確保するのか」。

 丹波市の自営業男性 (55) も 「国の財政再建につながることで仕方がない」 としながらも、 「法案が通過した今、 国民に痛みを求めてきた政治家が、 今度は自分たちの身を切って改革をやるという姿勢を国民に示す時だ」 と指摘する。

 丹波市の小売店経営男性 (41) は、 「声を出しても反映されることはないので、 増税には反対でも賛成でもなかった」 と法案通過にも淡々としている。 「増税後は商品の買い控えなど、 経営にも悪影響が出ると思うが、 増税直前の先食い需要はチャンスにもなる」 と今後の影響を予測する。

 篠山市の主婦 (47) も、 「国の無駄な部分を削ってからの増税ならば納得がいくが、 そうは見えない」 としながらも 「今は財布のひもは緩んでいると思うので、 8%になっても大きな影響はないのかもしれない」 とみる。

 消費増税には不満の声もあがった。 景気の悪化で最近、 工場を閉鎖した篠山市の男性 (70) は、 「消費税を増税して、 さらに景気が悪くなるのではないか」 と言い、 篠山市の会社員女性 (25) は、 「給料が上がらない中での増税はかなり生活を圧迫する。 なぜ増税するのかがよくわからず、 与党も野党も、 増税すればすべて解決できるかのような言い方が気に食わない」 と憤る。

 丹波市の介護施設事務局長の男性 (74) は、 「施設でも、 オムツ代金など、 本人負担が増えることになる。 今年度の改定で、 介護報酬は実質0・08%引き下げになった。 増税分の一部は介護報酬の財源になると思われるが、 恩恵がどの程度あるのか分からない。 消費税を上げても、 法人税や所得税の税収が減っては意味がない」 と指摘する。

【兵庫5区代議士の声】

◎民主党・梶原康弘氏/反対は党の分裂

 法案採決にあたり本会議欠席を選択した梶原康弘氏は、 次のようなコメントを発表した。

  「欠席について最後まで悩み、 最終的に1人で判断した。 賛成できなかったのは、 消費税引き上げの条件が理由の一つ。 負担増の前に歳出の削減の成果を示し、 デフレ経済からの脱却や景気対策などを明確にすべきで、 党内論議では、 その議論が圧倒的に勝っていたが、 議論が打ち切られてしまった。 政治が財務省に負けたという印象を強くした。 ただ、 反対は、 党の分裂を意味し、 政権交代に向けられた国民の期待を裏切るもの。 今は党にとどまり、 民主党本来の理念を取り戻したい」

◎自民党・谷公一氏/あさましい与党

  「社会保障と税の一体改革という割には不十分な点が多々あるが、 社会保障の基盤はぜい弱なので、 一歩前進ではないか。 消費税引き上げは、 今のままではしんどいので、 思い切った経済対策を進めるべきだ。 民主党は、 国の政治に責任を持つべき与党として余りに無責任。 国をどうするよりも、 党を分裂させないことにエネルギーを費やし、 あさましい。 公然と法案に反対し、 欠席するのは、 与党のやることではない。 今後の政局はきわめて不安定になる。 年内には間違いなく解散がある」

 

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