篠山市北新町の篠山城三の丸広場を会場に開かれる県内最大級の民謡の祭典 「丹波篠山デカンショ祭」 (8月15、 16日開催) が今年で60周年を迎えることを受け、 毎年、 祭りのシンボルである木造の大やぐらを制作している建築グループ 「ささやま百年家」 が、 今年は祭りの本部や休憩所も鉄骨から木造にすることを計画している。 入母屋造りの篠山城大書院を模し、 組み立て式としては日本最大のやぐらに加え、 メーン会場の全景を美しさと情緒を備えた木造にすることで、 “篠山らしさ”を演出。 同グループは、 「夏の風物詩も60回の節目。 木で統一された会場で、 たくさんの人にデカンショや篠山の良さを楽しんでもらいたい」 と話している。
本部、 休憩所ともに、 丹波産ヒノキで製作する。
放送席のほか、 来賓席などが設けられる本部は、 高さ5・6メートル、 幅14メートル。 やぐらと同じく、 こちらも入母屋造りを予定しいている。 格子の手すりなどもつけ、 職人のこだわりも見せる。 本部の両サイドには1基の幅が約12メートル、 高さ1・5メートルの休憩所を設ける。
同グループが2009年から毎年、 組み立てている大やぐらは、 デカンショ節を演奏する 「地方 (じかた)」 の舞台が約6メートル四方。 屋根の最上部までは約8・5メートルを誇り、 日本最大のやぐらとして知られ、 好評を博している。
「篠山の風土に適した篠山らしい住宅を広める」 を合言葉に、 市内の工務店や設計事務所など6社で構成する同グループ。 大やぐら制作時は、 「停滞した雰囲気の中、 篠山の元気を取り戻し、 発展や木造の良さを伝えるシンボルに」 と、 企画した。
今回は60周年に当たることから、 さらなる祭りの盛り上げと、 篠山に元気を生み出す原動力にと、 会場の総木造化を計画。 同祭実行委員会に協力を求め、 採択された。
同グループは、 「全国的に暗いニュースがあふれる中、より篠山らしい景色のデカンショ祭をつくることで、 篠山を盛り上げていきたい。 木の美しさも感じてもらえれば」 と話している。
写真・「ささやま百年家」が製作し、デカンショの新たなシンボルとして愛されている大やぐら。今年はやぐらのほかに本部、休憩所も木造化される