丹波市は8月24日、 昨年度の市島地域の水道事業設計委託業務において、 請け負ったコンサル会社 「メイケン」 (神戸市東灘区) が全体の約4割の業務しか完了させていないのを知りながら、 市水道部職員が100%完了したとする虚偽の検査調書を作り、 同社に委託料918万1200円を満額支払っていたことを明らかにした。 職員は 「業者から支払いを頼まれた」 と話しているという。
市水道部によると、 委託した業務は市島地域全域にわたる簡易水道再編推進事業の実施設計。 浄水場や管路、 加圧ポンプ場の設計や水源池調査などで、 このうち、 戸平浄水場や加圧ポンプ場、 管路の一部などの設計ができていなかった。
事実を知りながら同部工務課長 (56) と担当の主査 (40) が、 出来高を100%とする検査調書を作成。 業者からの請求書に検査調書の写しを付けて支払伝票処理を行っていた。 部長、 管理者の市長も決済を行っていたが、 「書類を信じるしかなかった」 としている。
同社は6月27日に業務停止し、 自己破産手続きに入っており、 会社側の弁護士から債権調査に関する書類が8月1日に担当職員宛てに届き、 同16日になって職員が部長に相談したことで事態が発覚した。
辻重五郎市長は、 「責任を感じている。 虚偽の有印公文書作成にあたる。 職員からさらに詳しい事情を聞き、 厳正に対応していきたい」 としている。
昨年度の決算を審議する9月定例会が3日から開会する予定で、 今後の議会対応について市監査委員と協議し、 28日に開く予定の議会運営委員会、 議員総会で報告する。 市議会は同日、 議員間討議を行い、 事件を検証する特別委員会を設置する方向性を確認した。