丹波市水道部職員3人を告訴 虚偽有印公文書作成で

2012.09.20
ニュース丹波市

 丹波市が昨年度に発注した簡易水道事業の設計委託業務において、 市水道部職員が虚偽の 「検査調書」 を作成し、 業務を完了させていない請負業者に委託料を満額支払っていた問題で、 市は9月18日、 関係した職員3人を刑法156条に基づく虚偽有印公文書作成および行使の罪に抵触するとして刑事告訴したと発表した。 職員3人の処分については、 告訴の状況をみて判断する、 としている。

 告訴したのは、 担当課長 (56)、 担当係長 (45)、 担当主査 (40) =役職はいずれも当時。

 作成した虚偽の文書は2種。 同課長と主査が作成した同業務の検査調書と、 同じ日に作成した 「委託業務成績表」。 市の調べで、 同成績表に同係長も押印していた。

 市によると、 今年3月中旬、 主査は、 業者から 「進捗に関わらず3月末に支払いをしてほしい」 旨の要請があったことを係長に相談し、 係長はこれを了承。 その上で主査は課長にも相談していた。

 同成績表は、 入札の参考資料とするため、 業務完了後に、 業務の遂行状況などを市職員がA―Eの5段階で評価するもの。 問題の成績表には、 全9項目で 「C」 以上の評価をしていた。

 また、 市は、 請負業者 「メイケン」 (神戸市東灘区) の社長、 担当者にも11日に事情聴取したが、 「詐欺など、 告訴に至る事実は認められない」 として業者の告訴は見送った。 「市職員との飲食や金銭関係は一切ない」 と話しているという。

 辻重五郎市長は、 「警察から資料の任意提出を求められるなどしたため、 思ったより時間がかかった」 としたうえで、 「市民や議会は内部調査では、 納得されない。 苦渋の選択だった」 と話した。

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