絶滅危惧の「ホトケドジョウ」5カ所目の生息確認 青垣で中学生が発見

2012.09.30
ニュース丹波市

写真・新たに捕獲されたホトケドジョウ。 体が太短く、 ヒゲの形にも特徴がある

 青垣いきものふれあいの里 (松井久信施設長) は9月27日、 環境省レッドデータ絶滅危惧IB類、 県版レッドデータブック絶滅危惧Aランクの 「ホトケドジョウ」 を、 これまで確認されていたのとは違う場所で捕獲したと発表した。 県内で丹波市でしか生息が確認されていない希少な淡水魚で、 生息場所が見つかったのは5例目。

 8月22日に魚取りをしていた木矢村駿君 (青垣中1年) が捕まえ、 同施設に持ち込んだ。 翌日、 同施設の職員が捕獲場所を調査し、 4匹を捕獲。 9月8日には、 木矢村君の案内で、 県立人と自然の博物館の田中哲夫主任研究員、 「丹波地域のホトケドジョウを守る会」 の山科ゆみ子会長らが現地調査し3匹を捕獲。 計8匹を捕まえた。 いずれも体長5―6センチほどの成魚。

 これまで、 青垣町内では、 加古川水系支流の口塩久と沢野の2カ所で確認されており、 今回の発見場所は、 同じ水系の別の支流の水路。 ほかに、 由良川水系の春日町の栢野と柚津でも見つかっている。

 同ドジョウは、 もともと北流 (由良川水系) の魚だが、 氷上盆地が湖だった2万年ほど前に、 北流と南流 (加古川水系) が入り混じり、 北流の同ドジョウが南流に入り込んだと見られ、 本州で最も低い分水界 「水分れ」 の貴重さを物語る生きた資料となっている。

 松井施設長は、 「希少な魚を中学生が見つけた所に価値がある。 自然に目を向け、 関心を寄せてくれる子どもがいることがうれしいし、 他の子どもたちも 『自分の周りにもいるかも』 と思って興味を持ってもらえれば」 と話していた。

 ホトケドジョウは、 同施設で展示されている。

 

【ホトケドジョウ】全長6―7センチ程度の小型で、 太短い。 体色は茶褐色で、 体に黒点が散在している。 口ひげは4対で計8本あり、 3対が上唇より、 1対が鼻孔から上へツノのように伸びている。

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