篠山産業高校 (山内裕文校長) 商業科1、 2年生の有志16人が、 2009年度まで同科の授業の一つとして行っていた模擬株式会社 「うりぼうや」 を復活させ、 篠山市二階町82の旧土産物店 「ふきや」 で販売実習を行っている。 計4回の予定で、 すでに10月20、 21日に実施、 今後の開店日は28日、 11月3日。 全国各地の高校生がアイデアを出して開発した食品を中心に約30アイテムを販売している。 開店時間は各日、 午前10時―午後4時。
販売している商品は、 同校生活科が栽培したコシヒカリや機械科が制作した真ちゅう製の文鎮をはじめ、 ▽氷上高校の味噌やジャム▽北海道函館商業高校のサブレやパスタ▽福島県立小立商業高校のかりんとう▽静岡県立熱海高校のイカのチップス▽京都府立須知高校のヨーグルトやソーセージ―など。
初日の20日、 生徒たちは、 秋の行楽期で訪れている大勢の観光客らに 「いらっしゃいませ」 と声を響かせながら、 商売の楽しさと難しさを体感。 「うりぼうや」 のロゴが入った揃いの赤いエプロンを身につけて、 緊張しながらも丁寧な言葉遣いとさわやかな笑顔で接客していた。
「うりぼうや」 は、 接客マナーや商業デザイン、 会計処理などを学んできた商業科3年生が、 授業での学びを現場で生かすことを目的に行ってきた課題研究の授業の一つ。 3年前まで毎年行ってきたが、 同科のクラス数が3学級から2学級に減り、 それに伴う教員の減少で、 準備に多大な労力と時間が必要とされる同授業は廃止となった。
しかし今年の3月、 授業の中で 「うりぼうや」 の過去の取り組みを教諭から聞いた兼古宗治君 (篠山中出身) ら当時1年生だった男子5人が、 再開させようと立ち上がり、 翌4月から復活に向けての準備に取り掛かった。 過去の資料を参考に、 夏休みや放課後にこつこつと準備を進めた。 仲間が仲間を呼び、 メンバーは男女合わせて16人 (2年生11人、 1年生5人) となった。
発起人の兼古君が社長に就任。 1株2500円の株券を発行し、 教員に株券を購入してもらうことで商品を仕入れる資金を集めた。
兼古君は 「いざ 『うりぼうや』 を再開させようと立ち上がったものの、 何から手をつけてよいのやらさっぱりで、 時間だけが過ぎ、 焦るばかりの日々だった」 とオープンまでの日々を振り返り、 「これまで支援してくださった先生方の気持ちに報いるためにも、 できるだけたくさんの商品を販売したい。 はつらつと元気な高校生らしい態度で接客したい」 と意気込んでいる。