芦田小学校の5年生 (20人) が11月15日、 車いすで生活しながら障がい者スポーツの普及に活躍する田邊安彦さん (52) =丹波市柏原町挙田=を同校に招き、 生き方や考え方について話を聞いた。 人権をテーマにした総合学習の一つで、 障がいがありながらも前向きに暮らす人の生き方を学んでいる。
田邊さんは38歳の時、 仕事中に高所から転落。 その後遺症で、 車いすで暮らしている。 車いす生活を余儀なくされた当時を振り返り、 「歩けなくなっても落ち込むことはなかった。 生きられたことへのありがたさ、 感謝の気持ちばかりだった」 と笑顔を見せた。
障がい者となり、 リハビリの指導者に心ない態度をとられた悔しいエピソードを紹介し、 「人を上から見下すような縦社会ではなく、 健常者も障がい者も同じ目線の横社会になることが大事」 と強調した。
その上で、 「グループの中で失敗した子がいても、 その子をけなすようなことはしてはだめ。 みんなで失敗の原因を考え、 その子をサポートし、 一緒に楽しい時間を過ごすことを考えて。 人を見下したらだめ」 と話した。
また、 知人から勧められて障がい者スポーツと出会い、 国体でメダルを獲得した経験を振り返り、 「がんばったらできると気付き、 それからは本気で取り組むようになった。 人との出会いを大切に、 いろんな人といろんな話をして、 よいことを吸収してほしい。 心を開き、 前を向いて生きて」 と呼びかけた。
話を聞いた足立桂哉君は、 「縦社会じゃなくて、 横社会が大事なんだと分かった」 と感想を話していた。