ラッピング紙ブランド 「teshio paper (テシオペーパー)」 の立ち上げで新たな販路を開拓している 「柏原加工紙」 (兵庫県丹波市柏原町柏原、 矢本雅則社長) が、 「ひょうごクリエイティブビジネスグランプリ2013」 (県産業振興局主催) でトップ4の知事賞に選ばれた。 2月13日に兵庫県公館 (神戸市中央区) で決勝大会が行われ、 当日、 4社のプレゼンテーションでグランプリが決まる。
同グランプリは昨年に続き2回目で、 今年は44社がエントリーした。 柏原加工紙は、 昨年9月に経営革新事業で同ブランドを立ち上げ、 同月神戸市で開かれた 「国際フロンティア産業メッセ」 でブランドデビューした。 以降、 ひょうごチャレンジプロジェクト認定、 ひょうご成長期待企業選定、 商工会報全国版での企業紹介など、 各方面から注目を集めている。
テシオペーパーは、 「手塩にかける」 から名づけたブランド。 職人の手を加えて丁寧に作られた高品質の紙という意味で、 「紙を超えた紙」 をコンセプトに、 一般の消費者向けに小ロットでも販売する体制をめざす。
製品は紙に特殊加工を施した 「加工紙」 と呼ばれるもので、 以前から作っているもの。 これまでは主に物流用包装紙として産業界で使われていたが、 用途の発想転換で、 おしゃれなラッピング紙や封筒、 本の装丁紙、 ランチョンマットなどとして提案し、 文具店、 雑貨店、 花屋、 料理店など、 新たな顧客を急激に増やしている。
ブランド誕生までには、 低迷期があった。 景気の低迷で売上が減少し、 5、 6年前に2期連続の赤字に。 生き残りを模索して丹波市商工会の経営革新塾に参加し、 産業用から一般向けへとターゲットを切り替え、 ラッピング紙としての販路開拓にたどりついた。
「狭い発想の中で苦しんでいたが、 異業種の人たちと交流するなかで、 潜在的にあった有望市場に気づくことができた」 と矢本社長 (62)。 創業以来約50年間、 大事に使い続けてきた機械は、 いつしか国内で数台の珍しい型になり、 「古い機械で売れる商品はつくれない」 と思っていたのが、 「他の企業には真似できない味を出せる機械」 だと気づかされた。
新販路の展望が見えてきたことから、 今月末には3000万円の最新加工機を導入する。 エンボスと呼ばれる凹凸を紙に付ける機械で、 第1弾としてハート形の凸凹加工型を購入する。
矢本社長は 「県内ではいろいろな展示会などに参加して製品を紹介してきたので、 次は首都圏へPRしていきたい」 と話している。
【柏原加工紙】1961年創業。 社員23人。 売上年約5億円。 各種産業用包装紙、 建材用紙、 養生紙、 防水特殊紙などの加工紙や各種紙管を作り販売している。 近年、 糸が挟み込まれた紙や、 ロウを塗ったパラフィン紙、 凹凸が付いたエンボス紙などが注目を集めている。 http://www.kaibara-kakosi.co.jp/