兵庫県の丹波市商工会のアイデア発明委員会 (安田邦幸委員長、 12人) が、 枠の中にボールを投げ入れ、 五目並べの要領で遊ぶゲームを考案、 商品化した。 軽い運動のレクリエーションと、 計算に頭を使う脳のトレーニングの要素を備える。 市内の介護施設、 教育施設を足掛かりに売り込み、 全国展開を目指す。 物品のデザインを保護する意匠登録の出願も済ませており、 丹波市発のニューゲームとして販売に乗り出す。
木の 「枠」 内に 「9」 個球を並べることから 「わくわく」。 「そろう」 に、 丹波市の 「丹」 をかけ、 「わくわくゲーム 『そろたん』」 と名付けた。 会員の1人、 正呂地庸晃さん (82) =丹波市氷上町横田=が考案したものを、 委員会で意見を出しあい、 1年以上費やして改良した。
「そろたん」 は、 9×9の計81個の穴が開いた盤 (90センチ×90センチ×20センチ) に、 1メートルほど離れた所からいすに座ったまま順番にボールを計20個ずつ投げ入れ、 縦横斜めに列を作って遊ぶ。
球は4色あり、 4人または8人同時にプレーでき、 並んだ数で得点が決まる。 3個 (1点) から、 9個 (10点) と、 集計時に脳を働かすよう、 あえて計算がしづらい得点設定にしている。 球が弾み、 ねらった穴にはまらない偶然性がおもしろみ。
穴と穴の間隔や径の調整、 とがった盤の角にカバーをつけるなど、 5台試作を重ねた。 昨年夏から 「そろたん」 を持参し、 老人会の集まりやデイサービスセンターを訪問。 「ゲームに集中し、 日ごろより動作が大きくなった」 「笑顔がたくさん見られた」 と、 上々の反応を得た。
正呂地さんは、 「ネーミングや遊び方など、 とても1人では考えつかなかった。 ここまで育ててもらって感謝している。 委員会の1つの記念になった」 と言い、 安田委員長 (67) =同市氷上町賀茂=は、 「商品が売れることで、 会員に仕事を発注でき、 会員が潤うのが第一。 今回は、 木工所の仕事を一つ作れた」 と喜び、 「委員会への関心が高まり、 今以上に多くの会員に加わってもらえたら」 と話している。 価格など、 詳細は市商工会 (TEL0795・82・3476)。
同委員会は、 月1回例会を開いている。 例会で会員個々の研究や試作品を披露し、 各自で商品開発するのが基本だったが、 正呂地さんのアイデアが素晴らしかったことから、 会として商品化に取り組んだ。 「そろたん」 が同委員会 「第1号」 の商品。 販売会社を興す研究もしている。