大山郷づくり協議会 (斉藤邦彦会長) が、 兵庫県篠山市大山地区を構成する14集落の歴史文化などをまとめた冊子 「『大山』 の昔を知る」 を発行した。 編集したのは、 同協議会内のグループ 「大山昔ばなしの会」 (伊塚理仁代表、 10人)。 同会のメンバーは、 「この冊子が地域やふるさとを思い直すきっかけとなり、 地元に誇りを持ってもらうことで、 郷土愛につながっていけば」 と話している。
同地区は、 追入、 大山宮、 大山上、 大山新、 石住、 高倉、 一印谷、 町ノ田、 長安寺、 北野新田、 北野、 大山下、 東河地、 明野―の14集落からなる。
弥生時代からの古墳が多数発掘されるなど、 古くから数多く集落が形成され、 845年から京都・東寺の荘園として栄えるなど、 歴史深い地域として知られる。 「今、 地域の歴史文化を調査し、 記録にとどめておかないと知る者がいなくなり、 後世に残せない」 との危機感から冊子の制作を決めた。
同会のメンバーが2年前から、 地域を歩き回って史跡を調査したり、 古文書などを求めて家々を訪ね歩いたりしながら資料を集め、 25回の会合を経て完成にこぎつけた。
冊子には、 集落ごとに文化行事や名所旧跡、 地名の由来、 見どころなどを美しい写真とともに掲載。 例えば、 「大山」 の地名の由来は、 同地区の北方にある黒頭峰と夏栗山の雄大な山並みを 「大山峯」 と呼んだことから名づけられた、 などと紹介している。
A5判のカラー刷りの22ページ。 篠山市の 「地域の歴史文化を活かしたまちづくり事業」 を活用して1000部作成。 同地区内に全戸配布した。 冊子は、 市役所・市民協働課や図書館などで閲覧できる。
問い合わせは、 同協議会 (同市大山新80、TEL 079・506・2419)。