兵庫県篠山市黒田にある県指定郷土記念物の巨木、 「寸原 (ずんばら) の大ケヤキ」 の樹勢を復活させようと、 同集落の住民有志が、 根の酸素不足を解消するため、 手作業による土掘りを始めた。 4年かけてケヤキの周囲約100平方メートルの土を掘る。 今年は、 芽吹く今月中旬まで作業を続ける。 呼びかけ人の松本正義さん、 北山範夫さん、 北山勲さんは 「手をかけなかったら枯死してしまう。 ケヤキに対する思いやりと愛着を持って地元の名木を大切にしたい」 と話している。
寸原の大ケヤキは、 樹齢は定かでないが、 樹高約15メートル、 幹周りが約10メートル。 一般的にケヤキはほうき状に枝を伸ばすが、 根元付近から枝分かれする 「雲竜型」 で珍しいとされている。
25年ほど前から樹勢が衰え始めた。 周辺の田畑の造成時に出た土を根元にかぶせたため、 「酸欠状態」 になり、 10年ほど前から土壌改良を繰り返していた。 しかし、 さほど樹勢が戻らないため、 樹木医の小西朋裕さんに相談。 直接、 土を掘って、 根を出す方法をとることにした。
細根の一部が地上部付近まで出ているので、 手作業で土を掘ることにし、 太い根の上にかぶさった30―50センチの土を除いている。 3月28日には12人、 4月3日には6人が参加し、 つるはしとスコップを使って作業。 枯死したり、 空洞化している太い根が多数見つかり、 改めて 「酸欠状態」 であることが分かった。
呼びかけ人たちは、 一緒に作業するボランティアを募集している。 松本さん (TEL090・8821・0126)。