今年度、 自然エネルギーの活用をテーマに活動している丹波青年会議所 (深田享保理事長) が、 水車を用いた小水力発電装置を水分れ公園 (兵庫県丹波市氷上町石生) に設置した。 得た電力で同公園の滝をライトアップする。 9月まで設置し、 同公園を訪れる子どもたちや地域住民に自然エネルギーについて考えてもらう一助にする。
経営開発委員会 (垣内竜馬委員長、 6人) が制作。 丹波青年会議所が丹精込めて手作りした、 との思いを込め、 「丹青水車」 と名付けた。
直径1・5メートルの12角形のスギの水車で同公園の滝の水を受け、 水車に取り付けた自転車のチェーンで自動車のダイナモに動力を送り、 発電する仕組み。 バッテリーに蓄電する。 ライトは、 軽自動車のフォグランプ (35ワット)。
実験では、 伝える動力が不足し、 照明がつかなかった。 自転車の変速機をダイナモと水車の間に取り付け、 回転数を増幅させることで課題を克服。 さらに、 滝の水を水車で受けただけでは回転速度に不足が生じたことから、 木製のといで水を集め、 効率的に水車の羽根に当たるようにし、 発電に必要な動力を得た。
大工、 自動車整備、 建設など、 多職種が集まり、 知恵を出しあった手作り発電所。
担当副理事長の浅葉喜一さん (35) は、 「ベアリングを取り付けるなど、 水車がスムーズに回るようにするのに苦労した」 と言い、 大工で水車を組んだ本庄功さん (38) は、 「水車を作るのは難しくなかったが、 電気を起こすように調整するのが難しかった」 と話した。
池田佳正さん (36) は、 「ああでもない、 こうでもないと、 試行錯誤を繰り返して形になり、 いい経験になった」 と振り返った。 深田委員長 (35) は、 「これだけやって照明1つ分。 自分たちでエネルギーを作るのは大変とつくづく勉強になった」 と言い、 「実際に動いているところを多くの人に見てもらえれば」 と話している。
12日の同会議所の月例会でお披露目し、 稼働を始める。 9月には、 1年間の集大成となるエネルギーに関するフォーラムを開く。