環境への“優しさ”評価 山名酒造が県表彰

2013.05.30
ニュース丹波市

写真・山名酒造が設置した太陽光パネルと、 「オーガニック・コンシェルジュ」 の資格を取得した田中さん

 山名酒造 (兵庫県丹波市市島町上田、 山名純吾社長) が、 優れた環境保全活動を展開している事業者を顕彰する 「県環境にやさしい事業者賞」 を受賞した。 6月5日、 県公館 (神戸市) で開かれる 「地球と共生・環境の集い」 で表彰される。 有機農業を推進する地域イベントへの参加や、 コストよりも自然農法に重点を置いた酒米を採用するなど、 地元の有機農業を支援したことなどが評価された。

 同社はNPO法人 「いちじま丹波太郎」 と連携し、 イベント 「丹波太郎祭り」 に参加。 有機米を使った酒を紹介している。 2007年には、 山名社長の勧めもあって、 同社の田中昌道さん (35) が有機農業の知識を身につけ、 食の安全安心を消費者に伝える 「オーガニック・コンシェルジュ」 の資格を取得、 同イベントなどで有機農業の普及を行ってきた。

 また、 「市島は有機の里とうたっているのだから、 有機米を使ったお酒を造りたい」 (山名社長) と、 20年前から有機農法で生産された酒米を一部使用してきた。 約15年前には、 奥丹波で戦前まで栽培されていたが、 収穫量の少なさや栽培の難しさもあり、 すたれていた酒米 「野条穂」 を復活させようと決意。 わずかな種もみを譲り受けて、 生産者と共同で収穫量を増やし、 2年目には醸造ができるようになるなど、 環境に配慮した製品作りを行ってきた。

 東日本大震災を機に、 自然エネルギーの必要性を痛感し、 昨年1月には、 酒蔵近くの休耕地に太陽光パネルも設置した。

 山名社長は 「生産者と一緒になって取り組んできたことが評価されてうれしい。 お酒は文化。 ただ酔うだけでなく、 素敵に酔うような商品を造っていきたい」 と話している。
 

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