篠山市は、 市内の豊かな自然環境やさまざまな動植物の生息空間を保全、 再生するため、 市民が行う自然保護、 再生活動に対して上限20万円の補助金を交付することを決めた。 対象となる活動は、 休耕田でのビオトープ整備や冬期湛水 (冬みず田んぼ)、 動植物の生息・生育環境保全再生活動、 外来生物駆除活動など多岐にわたる。 2010年に策定した 「篠山市環境基本計画」 の一つ、 生物多様性事業 「森の学校復活大作戦」 を推進するのがねらい。
補助額上限20万円の活動の一例として、 ▽生息・生育環境の保全や再生=コンクリート化された水路に小動物落下防止のふたや脱出用スロープを設置したり、 水路を土や石積み、 木組み化するなどして、 生きものが生息、 繁殖できる環境を整える▽希少動植物保護=生息状況調査やフェンス、 看板の設置、 支障木の伐採など▽外来生物の駆除▽広葉樹林の整備=苗木の植樹、 除間伐や下草刈り
―などを挙げている。 また、 上限5万円の活動に、 生きもの観察会や勉強会の開催などがある。
このほか、 休耕田に水を張り、 水生生物などのすみかをつくるビオトープ整備に10アールにつき年額6000円、 冬期の田んぼに水を張り、 生きものの越冬場所や野鳥のえさ場を提供する冬期湛水には同面積につき年額4000円を補助する。
補助対象と認められる経費は、 指導者や講師の謝金、 資料作成費、 機械レンタル料、 工事請負費、 ノコギリや燃料など消耗品の購入費など。 事務所維持費や人件費、 食糧費などは対象外。
補助金の交付申請は、 篠山市役所環境課 (第2庁舎1階、 079・552・6253) に備えている申請書類に必要事項を記入し、 同課に提出する。
丹波地域で自然環境保全活動を実践している組織や学識者で構成する 「森の学校推進委員会」 で、 補助金申請のあった事業の内容を審査し、 採択するかどうかを決める。 同委員会はこのほか、 公共工事の計画に対して、 環境に配慮した工法などを行政に提案する。