山南中学校出身の待場大輔君が所属する石川県の星稜高校が、 8月8日に阪神甲子園球場で開幕する 「第95回全国高校野球選手権大会」 に出場する。 同校の甲子園出場は6年ぶり16回目で、 元メジャーリーガーのゴジラ松井を輩出した強豪校。 待場君 (3年) は、 石川予選の全試合に6番レフトで出場し、 攻撃の口火を切るチャンスメーカーとして勝利に貢献した。 地元兵庫県に凱旋する待場君は、 「全員野球で、 まずは1勝をめざす」 と話している。
右投げ・左打ちで、 169センチ・65キロの小柄ながら2年の春からベンチ入りし、 新チーム移行後にレギュラーに定着。
石川予選では、 その回の先頭打者としてバッターボックスに立つことが多く、 準決勝、 決勝では単打で出塁してチャンスを作り出し、 自らホームベースを踏んで勝利を引き寄せる活躍を見せた。 決勝では遊学館に5―2で勝ち、 甲子園出場を決めた。
「出塁することだけを考えて打席に立った」 と待場君。 相手投手に嫌なコースを攻められながらも、 ミートを心がけ、 出塁にこだわった。 「塁に出たら絶対にホームを踏むぞという気持ちだった。 自分を (ホームへ) かえしてくれるチームプレーのおかげ」 と話す。
甲子園をねらえるチームで、 人間的にも大きくなりたいと選んだ進路。 親元を離れての寮生活に、 「遠くの学校に出してくれたお父さん、 お母さんに、 プレーで恩返ししたいという気持ちで、 練習だけは一生懸命やった」 と胸を張る。 全体練習の後には室内での自主練習、 寮では寝る前の体幹トレーニングを欠かさなかった。
新チームでレギュラーに定着してからは、 自覚が芽生え、 「主将、 副主将を陰で支え、 チームをひっぱる選手でありたい」 と心がけてきた。 人と話す時の態度や、 あいさつなどの礼儀、 チームプレーの大切さなど、 「人間的なことを星稜で学んだ」。 中学までは速く走るのが苦手だったが、 今では 「走り方を教えてくれた中学の陸上部の先生にも感謝している」 と話す。
待場君は、 久下ジュニア少年野球クラブをへて、 中学時代は硬式野球チーム 「三田リトルシニア」 に入団、 内野手として活躍した。 同チームの西尾昌隆監督 (43) =三田市、 柏原町出身=は、 「勉強との両立ができていた選手。 左右に打ち分ける器用さがあり、 リストも強いのでボールが遠くに飛んだ」 と印象を話す。 「甲子園では実力だけでなく、 運も左右すると思うが、 悔いのないプレーをしてほしい」 とエールをおくる。 父の宏文さん (42) =山南町谷川=は、 「小さい体でよくがんばった。 後はけがだけしないように」 と願っている。