「集落の駅神楽」開館 自然や暮らし・伝統 丸ごと紹介 青垣町文室・旧神楽会館

2013.10.24
ニュース丹波市

写真・神楽を紹介するタペストリーや展示品を興味深くながめる来館者

 地域の自然や、 暮らし、 歴史・伝統文化を紹介し、 地域に親しむ入り口にしてもらおうと、 青垣町神楽自治振興会 (足立宏之理事長) が整備した神楽生活環境博物資料館 「集落の駅神楽」 (青垣町文室) の開館記念行事が10月20日、 開かれた。 来館した地区住民たちは、 古い資料などの展示品を見学し、 住民手作りの振る舞い食バザーに舌鼓を打った。

 

  「地域を丸ごと博物館に」 とのエコミュージアム (自然博物館) 構想に基づくもの。 財団法人神楽会 (解散) の拠点施設だった旧 「神楽会館」 を改装した。

 展示室 (約70平方メートル) で、 地域を紹介するタペストリーを展示。 紅葉で知られる高源寺、 丹波地域最高峰の粟ケ峰の水を集める 「浄丸の滝」、 母乳の出の悪い人の信仰を集める 「乳の木さん」 (常瀧寺の大イチョウ) などの名所やバイカモ、 カジカなどの希少な生き物、 平地を作るためにのり面に積まれた石垣、 集落内を流れる水路、 地域の秋祭りのようす、 稲木にかけ天日干しにされる稲穂、 白壁の土蔵などの鮮やかな写真が説明文とともに飾られている。

 開会式典で足立理事長は、 「都市部との交流を通じ、 地域の発展につなげたい」 とあいさつした。

 開館記念行事にあわせ、 地域住民が、 「我が家のお宝」 を出品。 「杉植林植込契約書」 (明治23年)、 「神楽村役場永久保存」 と表紙に書かれた大正元年の村民の実印を集めた 「印鑑簿」 などの書類や、 天秤ばかり、 「ばんこ」 と呼ばれていたあんかなどの古道具、 牛で田をすく昭和30年代の農作業風景のモノクロ写真などの貴重な資料に、 来館者たちは見入っていた。

 足立一郎さん (同町桧倉) は、 「よくこんなものが残っていたな、 という感じ。 古い新聞は字が小さいし、 今と逆方向から読むし、 興味深かった」 と話していた。

 今後、 同施設でイベントを開いたり、 同施設から地区内を散策するコースを設けるなどし、 活用していく。

 施設見学希望は、 同自治振興会事務局 (0795・87・5808)。

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