丹波市青垣町田井縄に、 無農薬野菜・無添加食品の卸・小売業 「夢農ファーム」(横山裕二社長、078・393・1831) が進出した。 会員向けに戸別宅配しており、 本店と配送センターを南あわじ市から青垣に移した。 社員は青垣に移住し、 農業も勉強中。 「丹波の農産物や加工品を発信したい」 と張り切っている。
南あわじ市で1993年に設立。 淡路島産の農産物や海産物を扱っていた。 他社との差別化をはかるため、 減農薬野菜から、 無農薬野菜に切り替えようとしたが、 無農薬野菜の生産者が少なく、 農家の理解が得にくかったことから、 以前から卵の取引きなどでつながりがあり、 有機農業の先進地であることにも引かれ、 丹波市に昨春移転した。
同社が取り扱う商品の安全基準は、 野菜は、 無農薬か無農薬有機。 調味料や加工食品は、 化学調味料や合成保存料は不使用などと定めている。 基準に合う野菜、 肉、 米、 水産加工品、 牛乳、 調味料などを北海道と西日本から集め、 定番商品としてカタログに掲載。 季節商品は週替わりで、 商品を購入した会員に翌週分の注文書を届けるやり方で注文を取り、 青垣の配送センターから各地に配送する。
野菜、 米、 卵、 牛乳・乳製品などは丹波市産をカタログ掲載しており、 1回に9―10種類を詰め合わせにする野菜は95%ほどが丹波市産。
取引農家を探しているほか、 丹波の特産加工品の取り扱い品目を増やそうと、 企業にも営業活動中。
チーフマネージャーの神恵子さんは、 神戸市から同町大稗に引っ越した。 就農のため、 神さんと一緒に越してきた人もあり、 家庭菜園からゆくゆくは自社農園を持てたらと夢を描いている。
「レンジで温めるだけでなく、 ここにある、 黒豆、 栗、 あずきといったおいしい素材を、 シーズンに1度でも自分で炊くといった 『うちごはん』 を打ち出したい。 丹波産品を市外に出すだけでなく、 会社のことをよく知ってもらうために、 地元の人に取り引き先の鮮魚を売ることなども考えたい」 と話している。