丹波市は1月8日、 市消防本部所有の化学ポンプ自動車に積む高圧空気ボンベ (4本) を購入するための 「見積り合わせ」 で、 見積結果を操作する不正な事務処理があったと発表した。 市は同日、 刑罰に抵触する疑いがあるとして丹波署に通報した。 同本部副課長 (50) が担当係長 (46) に、 最低価格を示した業者とは別の2番手の業者に見積書を再提出させるよう指示し、 購入契約を交わしたという。 連名による書面での通報が昨年12月25日にあり、 発覚した。
市によると、 同ボンベ購入の予定価格は46万4000円。 見積り合わせは、 11月26日に市消防本部で行われ、 締め切りの午後2時までに9社 (市内1社、 市外8社) が見積りを提出した。
開封の結果、 最低見積り額を提示した業者は34万7200円、 2番手の業者は34万8000円だった。 ところが、 副課長の指示を受けた担当係長が2番手の業者に見積書の再提出を依頼。 この業者は一度断ったが、 再び副課長の指示で担当係長が要求したところ、 34万7000円の見積書をファクスで再提出、 同28日に契約を結んだ。
書面による通報を受け、 市は12月26日に 「法令遵守委員会」 (委員長=鬼頭哲也副市長、 5人) を立ち上げ、 同27日から1月4日までの間、 通報者、 事務処理に関与した職員、 幹部職員、 業者らへの事情聴取を行った。
事情聴取の中で、 副課長は、 2番手の業者に見積書を再提出させた理由を、 「既存のボンベと同じ型にしたかった」 と話したという。 通報者からは予定価格の漏えいや金品の授受などを示唆する発言があったが、 副課長は否定しているという。 また、 複数ですべき見積書の開封作業を、 副課長1人で行ったか、 複数だったかは関係者で供述が食い違っているという。
鬼頭哲也副市長は、 「副課長の発言をうのみにすることはできず、 他にも不正行為がなかったかも含め、 さかのぼって調査する」 と話した。 市は不正防止委員会を設置し、 調べを進める方針。
契約した業者名については、 「契約が無効になる可能性もあり、 今後の対応の方針を決めかねている」 として公表しなかった。
辻市長は、 「信頼回復に努める最中での信用失墜行為に心から深くお詫びする。 信頼回復に向け、 職員一丸となって取り組む」 と謝罪した。