丹波市は、 10日に開かれた市議会の不正事務処理・不正入札事件調査特別委員会 (100条委員会) の席上、 東芦田新水源のマンガンによる濁水流出事故を2012年8月に2度起こしていたと報告した。 これまでの説明では、 同年8月27―29日にかけての1回だとしていたが、 それ以前の同月20―22日にかけても濁水を送水していたことが、 他部署からの指摘などから明らかになった。 市水道部は、 辻重五郎市長をはじめ、 配水地域、 議会にも報告していなかった。 辻市長は、 「体質改善し、 再発防止を徹底することが大切だと改めて感じている」 と陳謝した。
濁水送水は、 8月27―29日の送水でグリーンベル青垣と丹波少年自然の家の水が濁ったことで発覚。 新水源の原水が国の基準値を超えるマンガンを含んでいることが判明したきっかけにもなった。
濁水流出に関する水道部の一連の発表を受け、 グリーンベル青垣を管理する市青垣支所が、 12年8月22日にもプールの水が濁っており、 その経過報告書を、 直後の9月11日に市水道部に提出していたと指摘。 今年1月24日に再度、 同じ報告書を提出したことで、 濁水送水が2度あったことが明るみになった。
12年9月当時、 同支所からの報告書を受け、 水道部長らは担当職員に詳細な経過報告書を作成するよう指示したが、 市長をはじめ、 配水地域や議会には報告しなかった。
市水道部によると、 同年8月28日に行う予定だった、 新水源と既存の西芦田水源のブレンド水の水質検査の準備作業として、 20日に新水源から西芦田浄水場までの導水管の洗管作業や流量調整を行うために、 新水源から浄水場への通水を開始した。
同日夕刻には残留塩素濃度が通常の半分程度まで下降していることを確認したが、 十分な洗管ができていないために塩素が消費されたものと判断し、 ポンプを停止。 22日朝には、 グリーンベル青垣と丹波少年自然の家から濁水の連絡が入り、 それぞれ担当職員が確認に行ったが、 管内のさびなどの汚れによる濁水だと判断し、 上司への報告を怠っていたという。
市水道部は、 「地域住民に周知した上で、 一時断水をするなどして慎重にすべきことだが、 試掘井戸の水質結果がよかったという思い込みがあり、 意識が欠けていた。 27―29日の濁水送水の調査において、 20―22日の話はまったく出ておらず調査不足だった」 と謝罪した。
この日の委員会では、 市に提出を求めたダンボール箱6箱分の資料を議員が閲覧し、 調査に必要な資料を絞り込んだほか、 マンガン流出事故に関係した7人の職員に、 証人、 説明員として出頭を求めることを決めた。 次回委員会は、 19日午前9時半から。