篠山市東岡屋の富山会館で毎月2回、 シルバー世代を対象にしたゲームセンターが開設され、 住民らが足しげく通いつめている。 ゲームと言ってもテレビゲームではなく、 射的やスマートボールなどの懐かしいものばかり。 心をくすぐる遊びの数々に、 会場には子どものような笑顔と熱気があふれる。 開設している男性は、 「年寄りの居場所づくりや体力づくりにつながればうれしい」 とほほ笑む。
ミニビリヤード、 バスケットボール、 スマートボール、 ゴム鉄砲の射的、 輪投げ―。 「ここを狙わなあかんて」 「パーフェクトやで」 「もっと強く打たんと」 などと、 声を上げる参加者らはすっかり童心に返っている。
その名も、 「シルバー迎夢 (ゲーム) センター」。 同地区に住む木彫作家、 小山泰二さん (84) がゲームを手づくりし、 半年前に開設した。
「足腰が弱り始めた人もいるし、 室内で手軽に体を動かせたり、 集まって会話をするだけでぼけ防止にもなると思って」。 地区内に参加を呼びかけたところ、 一人増え、 二人増えと参加者が集まり、 今では8人ほどが常連になっている。
ビリヤードの玉はゴルフボール、 バスケットボールのゴールはかごを使うなど、 すべて手づくりの味わい深いものばかり。 会費は200円で、 全ゲームの総合得点で景品も出る仕組みもあって、 参加者らは本気の熱戦を繰り広げる。
高齢者の居場所づくりは各地で行われており、 多くは女性の出席率が高いが、 迎夢センターは今のところ男性ばかりという珍しいケースだ。
小山さんは、 「わきあいあいと楽しんでもらえていてうれしい。 もっと定着して、 女性の方にも参加してもらえれば」 とにっこり。 参加していた小山茂明さんは、 「ゲームは楽しい上にコミュニケーションの場にもなっている。 こういう場をつくってもらえてとてもありがたい」 と話していた。