天保の瓦の裏に「魚」 改修作業中に発見 春日・照蓮寺

2014.03.20
ニュース丹波市

写真・照蓮寺で見つかった魚が彫られた軒瓦と藤森住職=同寺で

 本堂の改修工事を行っている丹波市春日町七日市の照蓮寺 (藤森智樹住職) で、 屋根瓦の葺き替え作業中に、 裏面に魚が彫られた軒瓦が見つかった。 約1万8000枚ある瓦のうち、 1枚だけの発見に、 藤森住職は 「ご門徒の願いや懇志などのおかげで、 改修工事ができている。 魚が彫られた瓦も含め、 歴史ある本堂を次の時代につないでいきたい」 と話している。

 約30センチ四方の軒瓦に、 全長27センチほどの魚が彫られている。 体の半分ほどまで、 鱗が表現されている。 釘のような、 とがったものを使って彫ったとみられる。

 魚が彫られた軒瓦は、 1840年 (天保11) に全面を葺き替えたときのもので、 現在葺き替え工事を請け負っている福知山市の瓦職人が見つけた。 藤森住職の妻、 留里子さん (56) が軒瓦を門徒に見せたところ、 「当時の職人が遊び心で魚を彫り、 途中で棟梁に見つかったから鱗が半分までしか彫られていないのでは」 「未来の職人に、 一生懸命した仕事を見せたかったのでは」 などの意見が出たが、 「どうして本尊である阿弥陀如来様の真上に、 殺生をイメージする魚を彫った瓦があるのだろう」 と首をかしげていたという。

 その後、 留里子さんは、 知り合いの住職から 「水を連想する魚を瓦に彫ることで、 建物を火災から守ってほしいという願いが込められているのでは」 と教えてもらい、 納得したという。 留里子さんは 「今後は地域の人にも軒瓦を見てほしい」 と話している。

 

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