認定こども園化に伴い、 丹波市内の6保育園と1こども園がこのほど、 それぞれの歴史に幕を下ろした。 市島町の吉見こども園、 鴨庄保育園、 美和保育園、 竹田保育園、 前山保育園、 山南町和田地区のわかくさ保育園、 やわらぎ保育園の7園。 このうち、 竹田保育園の園舎は、 民間企業が買い取って、 子ども向けの田舎体験施設に生まれ変わる。 他の園舎も、 地域の交流拠点としたり、 学童保育 (アフタースクール) にするなど、 再利用に向けた準備が進められている。
竹田保育園は、 尼崎市の民間企業 「ウエルネス」 が買い取った。 同社によると、 主に都市部の子どもたちを招き、 農作業体験や自然観察など、 田舎体験を行う拠点施設にする計画。 名前を 「ウエルネス子ども村」 とし、 宿泊もできるように改装。 週末や長期休暇に30人ほどが利用できる施設に変わる。
阪神間で子どもを対象にしたアウトドアクラブなどを運営する同社は、 クラブで活動する都市部の子どもたちに農業体験をさせる拠点を探していた。 丹波市に本部を置き、 日本野外生活推進協会が行う幼児対象の自然教育プログラム 「森のムッレ教室」 を通じて同保育園の閉園を知った同社は、 同保育園の見学や調査を実施。 同保育園を経営していた社会福祉法人 「竹山愛育会」 と会合を持った。 同法人は、 同社の示した▽文教区域にマッチしている▽園舎がほぼ現状のまま活用できる▽地域の活性化も期待できる―などとする園舎の利用計画をもとに、 話し合いを進めた。 同社は地域住民説明会も実施し、 おおむね賛同を得た。
今月下旬ごろから改装工事に入る予定。 宿泊に備え、 風呂やトイレを改修するが、 基本的には現在の状態をそのまま残し、 今夏の運営開始を目指している。 市島地域のこども園の園児たちとの交流も検討している。
同法人の小笠原正義理事長は 「都市部から訪れた子どもたちの中に、 丹波や竹田のファンが育ってくれたら、 先人の残してくれた資産が生きると思う」 と話している。
前山保育園は、 地域づくり法人 「NPO法人いきいき前山」 が活動の拠点として園舎を活用する。 現在、 同地区コミュニティーセンター内にある同団体の事務所を園舎に移す。 同団体が運営し、 コミセンで行っている憩いの場 「オアシスいつせ」 も、 園舎で行うようにする。 今後は、 同自治振興会が改修する必要のある個所を検討し、 夏ごろの運営開始を目指す。
美和保育園は、 同地区財産管理会に無償譲渡され、 施設名を 「美和地区交流センター楽園」 に改め、 地域住民の交流拠点施設とする予定。
市島町の鴨庄保育園、 吉見こども園は、 アフタースクールに活用される。 和田地区のわかくさ保育園、 やわらぎ保育園は解体される予定。
なお、 竹田、 三輪、 和田各幼稚園はアフタースクールに活用される予定。