これからも、 ずっと一緒―。 丹波市春日町黒井の足立瀧子さん (80) が、 自宅でカメを42年間飼育している。 カメは、 息子の文博さん (48) =同市山南町奥=が、 小学1年生のときに拾ってきたもので、 毎日エサをやり、 定期的に水を替えるなど、 かわいがっている。 足立さんは 「カメが小さいころから飼っているので、 家族の一員みたい」 と目を細めている。
カメの種類はわからないが、 甲羅の大きさは18センチほど。 縦40センチ×横55センチ×深さ35センチの収納ケースで飼育している。 水替え時の持ち運びを考え、 ケースはキャスターが付いたものを使用。 ケース内には水を入れているほか、 砂利や大きめの石を入れ、 甲羅を乾かすための陸地をこしらえている。 エサは市販のもので、 5分ほどで食べきれる量を与えているという。
1972年に文博さんが拾ってきたときは、 甲羅の大きさは4センチほどだったという。 「息子が拾ってきて、 そのまま自然に帰すのもかわいそうと思った」 と足立さん。 種類や雌雄がわからなかったので、 とりあえず 「亀子」 と名付けて飼い始めた。 初めは小さな容器で飼っていたが、 成長に合わせてケースを大きくした。
毎年11月に入ってエサを食べる量が減ってくると、 冬眠に備えて落ち葉をケース内に敷き詰めてやる。 翌年の3月末ごろまで、 落ち葉の下で冬を越すという。 「冬眠から目覚めて、 『亀子』 と呼びかけてケースを軽く叩くと、 ひょっこり頭を出す。 とてもかわいい」 と話している。
亀子を飼い始めて5年ほど後、 足立さんが拾ったカメも 「亀子」 と名付けて飼っている。 甲羅の色や形が違うように感じたため、 別々のケースで飼育している。 2匹の亀子ともに水替えのときには、 たわしで甲羅をこすってコケを落とし、 きれいにしているという。
足立さんは 「カメは長く生きると聞くけど、 本当に長生きだなと思う。 これからもずっと一緒、 大切に育てたい」 と話している。