出来高不足は認識 検査時「書類あった」 水道不正事務・市会百条委

2014.05.29
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 丹波市が2010年度に発注した市島地域水道事業の実施設計委託業務において、 全体の4・7%しかできていないのに業者に全額を支払った不正事務処理について調査している市会100条委員会が26日、 行われた。 業者と水道部の担当者との打ち合わせ議事録 (11年3月15日) に 「仮成果で検査に臨む」 との記述があるなど、 出来高不足が分かりながら検査を受けたことが裏づけられたが、 検査を担当した市事業監理課主査 (当時) は、 「はっきりとした記憶はないが、 そろえるべき項目の書類があったので合格にしたと思う」 と述べ、 食い違いをみせた。

 当時の水道部工務係主査、 同係長、 事業監理課主査の3人を証人喚問した。

 当時の工務係主査は、 成果物が上がってこないために何度か業者に督促もし、 上司である係長にも相談したと話し、 支払いについては 「一個人では判断できないこと」 と述べた。 係長は、 「成果が4・7%という認識はなく、 ほとんどできていると思い込みがあった。 業者にはとにかく工事の完了届けを出すよう指示した」 と話した。

 なお、 議事録の 「仮成果で検査に臨む」 との記述は、 見える程度に線で消されている。

 検査した事業監理課主査は、 「通常、 検査に回ってきた時点で、 工事や事業は完了しているものと考え、 仕様書などに基づき必要な書類を検査する。 検査当時の書類の中身がどんなものだったかは覚えていないが、 成果品がなければ検査はできない。 見ていないものを見たとする検査はしていない」 と述べた。

 

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