篠山市教育委員会は5月15日、 市内の小学5、 6年、 中学1、 2、 3年の児童・生徒を対象に 「学力・生活習慣状況調査」 を実施した。 同様の調査は毎年、 文部科学省が実施しているが、 同事業は市独自の調査。 対象となる学年を国の調査よりも大幅に拡充しており、 調査結果を基に 「状況把握」 と 「改善」 につなげたい考えだ。 市教委は、 「結果を分析し、 子どもたちのより確かな学力と、 土台になる生活習慣づくりに取り組んでいければ」 と話している。
対象は、 小学5年生330人、 6年生370人、 中学1年生365人、 2年生376人、 3年生380人。 小学生は国語と算数、 中学生は国語と数学で、 小学生と中学2年生は前学年の学習内容から、 中学1年生は小学4―6年生の学習内容から出題した。 中学3年生については生活習慣状況調査のみを行った。
生活習慣状況では、 ▽自己認識▽学級環境▽学習習慣―などの項目でアンケート調査を行っている。
毎年4月に行われている文科省の調査は小学6年生と中学3年生が対象で、 主に国の教育施策への反映のために実施されているが、 市教委では、 市内の児童・生徒の学力、 生活習慣の改善に直結させるため、 対象を拡大し、 より詳細な調査を展開することをねらった。
問題やアンケートは大学教授らが監修を務める業者に依頼。 結果が出た後には個々の状況に応じて学習の補充となる問題プリントなどをインターネットから取得できるという。
調査結果は6月下旬に各学校へ提示。 課題が見つかれば、 指導方法や生活状況の改善などにつなげる。
市独自の調査は2008年度まで行われていたが、 中止になっていた文科省の調査が同年度に再開してからは行われていなかった。
しかし、 対象学年が少なく限られていることから、 学力の定着状況などを把握するためにも連続した学年での調査の必要性を認識。 また新学習指導要領が導入され、 学力の定着に課題があるケースも判明していることから、 新たに独自調査を実施することにした。
市教委は、 「今回の調査だけですべての課題が解決できるとは考えておらず、 個人の課題に合わせた改善に取り組んでいくための一つの手段。 状況を把握し、 学校だけでなく、 家庭や地域も一緒になって子どもたちの学習・生活習慣を考えてもらうきっかけになれば」 と話している。
調査は単年度事業だが、 来年度以降の実施も予定しているという。