丹波市氷上町葛野地区で特産化をめざして養殖されている白身で上品な味わいのホンモロコ―。 今季初めて出荷され、 丹波市内の飲食店で 「葛野産」 が客に提供された。 出荷した生産者は1人、 取引先も3店舗と、 緒についたばかりだが、 売れたことが自信になり、 来季は生産量を倍に増やす。
出荷したのは、 安達晴太郎さん (氷上町柿柴)。 12月の 「かどの冬まつり」 のイベント時に 「かどのの郷」 のレストランに初出荷。 4月22日に出荷を終えた。
地元の 「やすら樹」 (同町清住) と、 知り合いの店2店と取引し、 計40を販売した。 自身で、 体の厚みが10ミリ以上のものを 「大」、 9―10ミリを 「中」 と規格を決めており、 おおよそ、 1キロあたり大で70尾、 中で100尾になる。 中は南蛮漬けや唐揚げに、 大は塩焼きなどに使われた。 卵を持ち、 「子持ち」 となる春先からは、 甘露煮にも使われた。
1キロ単位で、 生きたまま出荷する。 やすら樹の川邊俊之料理長は、 「唐揚げの場合、 生きたまま油に入れるので、 ヒレが立ってきれいな形に揚がる。 使い勝手が良く、 味も良く、 コースの中に入れても一品料理として出しても好評だった」 と話す。
安達さんは、 今季の5000匹を来季1万匹に倍増させる。 「売れ残ったら困ると思って今季は控えていたが、 需要は結構あると実感した。 倍に増やしてもそう売り先に困ることはないだろう」 と言う。
5月初旬は、 産卵、 ふ化させる大事な時期。 「ここが一番難しいが、 うまくやりたい」 と意気込んでいる。