篠山市教育委員会が2013年度予算で計上していた市内教育施設などの消防設備点検について、 年度をまたいで今月16日まで点検を行いながら、 業者との契約書類や業者への支払いに必要な検査調書には、 点検完了日を 「3月31日」 と偽って記入していたことが丹波新聞社の取材で判明した。 また業務を怠った学事課係長が4月下旬に上司に報告し、 課長の指示を受けて日付を偽造していた。 市教委は20日、 本紙の指摘を受けて会見した。
公共工事は予算年度中に終われない場合は、 翌年度に予算を繰り越すことができるが、 議会の議決が必要になる。
消防法に基づく年に1回の点検で、 小中学校など教育関連の52施設を東部と西部に分けて業者に業務委託するべく、 今年1月に入札手続きをした。 このうち西部は1回目の入札に4社が参加したが、 いずれも予定価格より高く不調。 2回目は入札を開始する前に4社とも辞退した。 本来ならその場で4社から見積もりをとり、 随意契約 (不落随契) を結ぶこともできるが、 それを怠り、 その後も業者を指定することを怠っていた。 同係長は会見で、 「他の入札案件に追われ、 日にちがたってしまった」 と話した。
係長は、 4月下旬になって学事課長に報告。 その後、 市内の業者と随意契約したが、 課長が契約完了日を 「3月31日」 にするように指示したという。 業者の点検は5月16日まで続いたが、 検査調書についても、 支払事務を早くする目的で、 5月1日に作成。 そこでも完了日を3月31日にしていた。
完了日を偽っていることに公文書偽造の認識もあったという小山辰彦教育部長は、 「大切な公金を適切に執行できなかったことを反省し、謝罪したい。今後、予算の執行状況をしっかり押さえるよう徹底したい」 と話した。