青垣町でクリンソウ初公開 1日限り 「周知により保全」

2014.05.15
ニュース丹波市

25日の観賞会に向け、 観賞コースの整備に汗を流した稲土の4最寄の組長ら。 花もちらほら咲いている=青垣町稲土で

丹波地域最高峰の粟鹿山の中腹にある県レッドデータブックBランクの希少植物、 クリンソウの群生地で5月25日、 初めての観察会が開かれる。 大小合わせて3000株ほどあり、 早い株では咲き始めている。 公開は1日限り。 地元の丹波市青垣町稲土自治会は多くの参加を呼びかけている。

群生地は、 稲土自治会所有山の林道沿いの3カ所にある。 昨年、 自然愛好家らが調査し、 約2000平方メートルに約2100株を確認。 「地域おこしの材料になる」 と、 公開を提案していた。

これを受け、 地元稲土自治会と神楽自治振興会で公開を決め、 稲土の明号、 日向、 西山、 菅原の最寄の4組長が、 林道の雑木を取り払ったり、 花を踏まないようロープをはって観賞コースを設ける日役を行った。

目賀多茂自治会長は、 「公開し、 広く知らせることで、 盗まれたり荒らされたりすることを防ごうという思い。 希少な花を楽しんでもらえれば」 と話している。

午前10時に清流館 (旧青垣町営アマゴセンター) に集合。 群生地までの約3キロを歩く (車で送迎もあり)。 現地で、 昨年の調査に加わった足立勲さん (青垣いきものふれあいの里運営委員長) から説明を聞く。

近くに住む男性が群生地近くに自生していたクリンソウの種から苗を育て、 2008年に10株を移植した。 足立さんは、 男性が移植した場所以外に株が広がっていることや、 株が増えるスピードの早さから、 移植したものと自生とが混在し、 大きな群生地になったと見ている。 無料。 弁当持参。 問い合わせは神楽自治振興会 (0795・87・5808)。

 

【クリンソウ】山地の湿地に生えるサクラソウ科の多年草。 5―6月に大きな根性葉から高さ30―50センチほどの花茎を出し、 約2・5センチの紅紫色の花を数層に輪生して咲かせる様子が、 五重塔の九輪に似ていることから、 この名がついた。 篠山市の多紀連山では2007年6月、 約4100平方メートルにも及ぶ大群落が発見され、 「多紀連山のクリンソウを守る会」 が設立されている。 丹波市では、 市島町鴨庄地区の妙高山に群生地があり、 2年前に 「妙高山のクリンソウを守る会」 が設立された。

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