「県営南多田住宅」建替に着手 現地で9階建て3棟に 3工期9年後完成

2014.07.03
ニュース丹波市

3つの県営住宅を集約し建て替え整備される県営南多田住宅の完成予想図

 県は、 老朽化による県営南多田住宅 (丹波市柏原町南多田) の建て替えに今年度から着手する。 現在の土地に、 3期に分け、 3棟183戸を整備する。 小規模団地で老朽化している春日石才住宅 (同市春日町園部) と柏原第3住宅 (同市柏原町柏原) も同住宅に集約する。 建て替えにあたっては、 耐震化、 バリアフリー化を推進するとともに、 単身高齢者や高齢者世帯対応の住宅も整備する。 今年度にまとめる実施設計の中で、 工事中の入居者の仮住まい計画などを検討し、 住民に説明する。 完了予定は2023年度。 総事業費約24億円を見込む。

南多田 (5階建5棟、 180戸) と石才 (平屋建て3棟、 12戸) は1973年、 柏原第3 (2階建て6棟、 32戸) は60年の建設で、 築後41―54年が経ち、 傷みが目立っており、 すでに新たな入居者募集を停止している。

県公営住宅課によると、 南多田に155戸、 石才と柏原第3を合わせて26戸の入居者があり、 全員が移転しても収容できる規模として183戸としたという。

南多田は、 現在の5階建が9階建てになる。 現在は、 専用面積約49平方メートルの同一タイプのみだが、 建て替え後は、 単身者から家族まで4サイズの住居を整備し、 一部を人感センサーや緊急通報システムを備える高齢者特定目的住宅とする。 131台分の駐車スペース、 新たに集会所も設ける予定。

仮住まいは、 既存3住宅の空室などを考えている。 最初の建て替え対象棟に入居している人は、 1期工事が始まる来年度、 工事開始直前に仮住まいに移り、 2018年度当初に新住宅に入居するスケジュール。 2期は18―20年度、 3期は21―23年度。 既存住宅の入居者に仮の住宅に移ってもらい、 完成後に戻ってもらうという 「やりくり」 が必要なため、 完了まで長い時間を要する。

建て替えで新しくなることや、 2人部屋で55平方メートル、 3人部屋で65平方メートルと専有面積が広くなることから、 家賃は、 現状より上がる見通し。

治水の流域対策から、 駐車場地盤を約10センチ下げ、 約300トンの雨水の一時貯留ができるようにする。

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