丹波市青垣町大名草の国道429号沿いに洋食店 「森のレストラン あれっと」 (鈴木明日香さん経営、 0795・80・7336) が7月14日、 オープンした。 惜しまれながら2009年に廃業したアマゴ養魚と料理店 「三渓園」 跡をそのまま利用。 客室は、 杉木立の中にあるバンガロー。 店の前にはアマゴを養殖していた加古川源流の透んだ水をたたえた池があり、 川のせせらぎが聞こえる抜群のロケーションだ。
鈴木さん (34) と、 鈴木さんの両親、 小田義之さん (60)、 直子さん (59) の家族で切り盛りする。 直子さんは同町小倉出身。 義之さんが還暦を迎えたことから、 「いなかで暮らそう」 と、 京都市役所裏手で16年間営んでいたフランス料理店 「あれっと」 を畳んで青垣にUターンした。
直子さんの母が三渓園を手伝っていた縁で、 一等地を借りることができた。
料理担当は義之さん。 京都時代はフランス料理店だったが、 敷居を下げ、 「肩の凝らないメニュー、 フランス料理っぽい洋食店」 (義之さん) に。 アラカルトのパスタやオムライスは900円から、 最高級の但馬牛のタンシチュー、 テールシチューでも1800円と価格を抑えた。 コース料理は昼も夜も、 A (3500円)、 B (1800円) の2種。 ケーキセット (800円) もある。
ワインは、 赤は8年、 白は3年以上熟成したものを提供。 野菜は、 直子さんの実家で取れる無農薬野菜を使う。
客室は、 三渓園でアマゴの塩焼き用に作られた炉や囲炉裏をそのまま生かしたいす席と、 木づくりの座敷席がある。
義之さんは、 「手に入れたくても入れられない最高の、 貴船のような場所を借りられ、 感謝している。 山菜や季節の野菜を料理に取り入れていきたい」 と言い、 鈴木さんは、 「ゆっくり自然を楽しんでもらえれば」 と話している。
アマゴの養殖を1959年から始めるなど、 県内最古、 全国でも最古級の 「三渓園」 は2009年8月の集中豪雨でアマゴ数万匹が全滅する被害に遭い、 半世紀の歴史に幕を下ろした。 元経営者で地権者の足立とし子さん (78) =同町大名草=は、 「貸してほしいという話はたくさん頂いたが、 知らない人には貸せなかった。 繁盛するようがんばって」 とエールを送った。
同町大名草から生野へ抜ける国道429号沿い。 午前11時―午後9時 (ラストオーダー午後8時、 休憩なし)。 不定休。