味間認定こども園「一から検討」 整備地候補地、未完成「調整池」と判明

2014.08.31
ニュース丹波篠山市

参加者らに説明する酒井隆明市長=兵庫県篠山市味間新公会堂で

2016年度オープンを目指して兵庫県篠山市がこのほど、 味間認定こども園の一体施設の整備場所として方針を明らかにした市営篠山口駅西駐車場には、 下流への洪水負担を軽減する、 未完成のままの 「調整池」 の計画があることが判明。 28日、 味間地区で開かれた地元への説明会で酒井隆明市長は 「整備への大きな障害が判明した。 市全体をあげて、 市民を含む検討委員会を立ち上げ、 一から検討し、 速やかに整備できるよう取り組みたい」 と話した。 この日は、 市が駅西での整備方針などを説明する予定だったが、 参加者らは急きょ示された発表に驚き、 怒りの声を上げた。

市は8月8日、 味間地区の4自治会を対象にした説明会を開いた。 その翌日、 参加者から駅西駐車場は調整池である可能性があることを指摘され、 市内部で資料などを確認したが見つからず、 26日、 丹波土木事務所に確認を求めたところ、 1996年、 旧丹南町が旧柏原土木事務所に提出していた調整池の設置申請が見つかった。 申請書には導水管の図面もあった。

市によると、 導水管の設置には約10億円かかると言い、 導水管の事業主体だった 「篠山口駅西土地区画整理組合」 は2011年に解散していることや、 仮に、 駅西で市が整備をするにしても、 多額の費用をかけて導水管を整備する可能性があること、 さらに、 駅西が土砂災害警戒区域で、 昨今の土砂災害で公共施設を建設する条件が厳しくなることを踏まえ、 酒井市長は 「再度、 旧丹南町の担当者に経緯を確認し、 丹波土木事務所と協議したい」 としている。

この日は、 味間新公会堂で4自治会、 味間地区まちづくり協議会、 音羽谷子育て広場運営委員会の計約30人が参加。 市が駅西の整備方針と、 もう一つの整備場所として示されていた 「おとわ園跡」 案の 「子育てプラザ」 としての利活用の方針を示すはずだった。

参加住民らは、 「市が整備可能な2案を示したのだから、 駅西案が整備できなければ、 おとわ園跡案を選ぶべきだ」 との意見に、 前川修哉教育長は 「おとわ園跡は、 まだ道路や用地の課題がクリアできていない」 と言い、 「提案する前に市がしっかりと調べるべき」 などの意見には、 酒井市長が 「調整池の看板もなく、 機能も果たしておらず、 調整池とは分からなかった」 などと回答した。

酒井市長は、 丹波新聞社の取材に 「駅西案、 おとわ園跡案、 その他の案を含め、 篠山小学校校舎検討委員会のような、 住民や保護者を含めた検討委員会を立ち上げたい」 と話した。

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