「丹波乳業」が業務開始 丹但の生乳で牛乳・乳製品製造

2014.10.02
ニュース丹波市

主力商品の牛乳と新商品のヨーグルトを手に、 新会社 「丹波乳業」 の社業発展を誓う吉田社長=兵庫県丹波市氷上町石生、 同社氷上牛乳センターで

丹波乳業株式会社 (兵庫県丹波市氷上町石生、 吉田拓洋社長、TEL0795・82・6324) が設立され、 10月1日、 牛乳、 乳製品の製造と販売を始めた。 兵庫丹但酪農農業協同組合 (同町石生) から製造と販売の事業譲渡を受けた。 同組合の 「氷上牛乳センター」 の名称、 工場をそのまま受け継ぐ。 原料の生乳も従来通り同組合から購入する。 「新鮮な牛乳をおいしさいっぱい丹波から」 をキャッチコピーに、 安全でおいしい商品を届ける。

新会社の社長は、 同組合組合員で酪農家の吉田さん (40) =同市青垣町惣持=。 同組合から正職員15人、 パート・嘱託職員18人が移籍した。

品質保証部と品質管理室を設け、 早期に、 国際的な食品の製造加工の衛生管理方式 「HACCP (ハサップ)」 の認証を受けることを目指す。

初年度は売上目標10億円 (通年換算)。 主力商品の 「氷上3・5牛乳」 「氷上低温殺菌牛乳」、 丹波、 但馬両地域の約140校に供給している学校給食用牛乳、 「たべちゃえ丹波」 「のんじゃえ丹波」 など、 既存の牛乳・乳製品の製造、 販売を継続。 中身は同じで、 ラベルに記載されている 「製造者」 のみが変わる。

新会社発足を機に唯一リニューアルしたのが 「氷上ヨーグルト」。 「丹波ヨーグルト」 と改称し、 容器デザインも一新。 原料を丹波市産生乳100%とし、 生きたまま腸まで届く乳酸菌 「Bb―12」 を使った。

吉田社長は 「自社の商品に職員が誇りを感じられる職場環境を作るとともに、 消費者に喜ばれ、 選ばれる安全安心な品物を供給する。 『丹波産牛乳』 を名乗れるのは、 全国でここだけ。 ここに製造プラントが残ることで、 ブランドが残る。 丹但酪農農協と両輪、 生産者と一体となってがんばりたい」 と意気込んでいる。

同組合は存続し、 販売、 購買、 指導、 共済事業を継続する。 組合員はこれまで通り、 新会社のプラントに原乳を納める。 組合は新会社に2000万円を出資 (実質、 建物と設備の現物出資) し、 土地 (約7500平方) は同社に売却した。

1949年に氷上郡酪農農協として発足した同組合は71年に牛乳加工工場棟を新設し、 加工販売を手がけるようになった。 2012年の食品事故で売上が落ち込み、 近年、 加工部門は赤字続きに。 設備の老朽化もあり、 経営の舵取りが難しい加工部門を切り離し、 原乳生産に専念することにした。

直近の65年度 (13年4月1日―14年3月末) で、 牛乳5261トン、 ヨーグルト178トンを製造した。

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