昨年8月の丹波市豪雨災害を機に立ち上がった、 チェーンソーや重機など専門技術を持つ人でつくる災害ボランティア団体 「日本テクニカルボランティア協会」 (端無徹也代表) が、 チェーンソーや重機などを扱えるテクニカルボランティアの育成や、 現場コーディネートできる人材を育てる講習会の企画を行っている。 1月25日には市島町徳尾で初のチェーンソー講習会を開いた。
兵庫県丹波市市島町谷上の東皐寺で復旧活動に当たった、 三重県を拠点に活動する災害テクニカルボランティア団体 「熊野レストレーション」 (端無代表) と、 現地でカフェを開いてボランティアに食事を提供した 「レストラン山の駅」 (同市柏原町柏原) 店長の奥畑和也さん (46) =同町下小倉=らが中心になって、 昨年11月に設立。 「丹波市豪雨災害を忘れないで」 との思いと、 被災山地で復旧作業を進めながら実践的な講習が開けることから同市に事務局を置いている。 事務局長は奥畑さんが務める。
メンバーは防災士や解体業、 建設業などに従事する7人。 東京や長野、 京都などに点在しているため、 災害発生時には現場近くに住むメンバーが、 いち早く被災地入りして復旧活動に当たる。
奥畑さんは 「全国から来たボランティアも、 作業にめどが付けば帰ってしまう。 つながりを生かして、 全国規模で災害に対応できるテクニカルチームを作りたいと考えた。 チェーンソー一本で、 救える命がある」 と話す。
25日の講習会は、 チェーンソーで木を切る技術はあっても、 災害現場での活動経験がないという人のために、 山崩れが発生した市島町徳尾の山で開いた。 25人がチェーンソーの基本的な操作方法や、 災害現場で必要な技術を学んだ。
今後も重機の講習会を市内で予定しているほか、 同協会の活動を知った市外の団体から講習会開催の依頼が届いているという。 端無代表は 「技術が未熟なまま災害現場に入るのは危険。 安心・安全な作業ができる人材を育てたい」 と話している。
同協会事務局 (http://www.jtva.jp、 TEL090・5907・9410)。