旧教室生かした工房に3人入居 店舗併設 教室も計画 「里山工房くもべ」

2015.01.18
ニュース丹波篠山市

上から、鈴木恵美さん、田代慎吾さん、安達漠さん

旧雲部小学校 (兵庫県篠山市西本荘) で2013年11月にオープンした、 カフェ、 アトリエ、 野菜直売所を設けている 「里山工房くもべ」。 このほど、 2階の旧教室で3人の職人と芸術家がショップとアトリエを開いた。 教室にあった机や棚をそのまま使いながら、 個性的な空間を作り、 創作活動に励んでいる。

「革工房mimi」 (http://mimibag.exblog.jp/) の鈴木恵美さん (34) は高砂市出身。 馬とヤギの柔らかい革を使用し、 リュックサックや財布、 バッグ、 キーケースなどを作っている。 「ステッチ使い」 や 「絞り技法」 が鈴木さんの特徴。

たまたま北海道でかばんの作品を見て、 革製品に関心を持った。 子育てが一段落着いた27歳ごろから、 姫路市の革工房で修業。 29歳から2年間、 革産地の姫路市のチャレンジ工房 「革工房BAIMO」 で創作。 その後、 高砂市の古民家で工房ショップを開いたが、 老朽化のため、 物件を探していた。 知人に里山工房を紹介してもらい、 古いものや町並みが好きで、 「のどかなところ。 のびのびと子育てできそう」 と、 2人の子どもも連れて移住を決意した。

「教室にはかわいいものがたくさん」 と言い、 棚や本棚、 机、 黒板、 ロッカーなど、 できるだけそのまま使用したショップスペースも設けている。

加古川や姫路で開いている教室を篠山でも開く計画。24日まで、まいまい堂(福知山市)で、 3月5―11日、 さんちかホール(三宮駅)で合同展を開催。

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「Nelio」 (http://nelioshoes.jimdo.com/) の田代慎吾さん (31) は滋賀県湖南市出身。 革のメンズシューズをセミ・フルオーダー (レディースも思考中) でつくる。 そのほか、 ベビーシューズやコインケース、 スリッパなども制作。 一つひとつ丁寧に手縫いしており、 フィット感を高めている。

大学卒業後、 証券会社に勤めたが、 「物作りがしたい」 と大阪市でルームシューズをつくるワークショップに参加したのがきっかけ。 28歳で大阪市の靴専門のスクールで基礎を学び、 その後、 同市内の工房で働き、 30歳で神戸市の自宅兼工房で独立した。 より広いスペースを求め、 篠山市役所を通して里山工房を知り、 妻の沙織さん (31) とともに 「子育てできる環境」 や、 「新鮮な農産物が手に入る」 などの理由もあり、 移住した。

田代さんは 「履き心地とデザインを兼ね備えた靴をつくり、 多くの人に知ってもらいたい」 と話している。 教室やワークショップを計画している。

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安達漠さん (32) は神戸市出身。 里山工房ではショップは開いていないが、 油絵を描いている。

兵庫教育大学学校教育学部芸術系美術コース出身。 修士課程修了後、 神戸市の学校を経て、 現在、 鹿の子台小学校の教諭を務めている。 大学時代は能面作りに没頭。 教諭と子育てに忙しく創作活動を休止していたが、 子育てが一段落して、 創作意欲がわき、 工房にも使える古民家を探していたところ、 里山工房を知った。 自宅の三田市から、 週末、 同工房に通い、 活動している。 「居心地の良い環境と広いスペース、 他の作家さんや地域の方とのつながりが気に入りました」 と安達さん。 同じ兵教大修士課程出身で妻の志帆さん (34) も同工房でテキスタイルをつくる。

鈴木さんと田代さんのショップは、 午前11時―午後4時。 定休は火、 水、 木曜。

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