未年に人が群れる山「羊ヶ嶽」 ハイカーが記念登山 篠山市大芋地区

2015.01.08
ニュース丹波篠山市

羊の名がつくことから、 多くのハイカーが訪れる 「櫃ヶ嶽 (羊ヶ嶽)」。 美しい山並みから大芋富士とも呼ばれる

兵庫県篠山市東部の大芋地区に、 未年になると多くの人が詰めかける山がある。 宮代集落などと京都府京丹波町にまたがる 「櫃ヶ嶽 (ひつがたけ)」。 別名を 「羊ヶ嶽」 というのがその理由。 日本全国を見渡しても、 「羊 (未)」 の名を持つ数少ない山ということもあり、 干支が巡ってくる年には縁起をかついで登山するハイカーが多いという。 近年の登山ブームもあって、 前回の未年(2003年)には、 バスで登山口に乗り付けるグループもあったとか。 普段は静かな集落がにぎわう一年になりそうだ。

標高582メートル。 「羊ヶ嶽」 という名前の由来は、 「多紀郷土史話」 によると、 太陽と山頂の位置関係で時刻を測ったことから、 「日の辻 (道)」 を見る山という説や、 「兵庫丹波の山」 (慶佐次盛一著) の下巻では、 鉄を表す 「火」 の山としたなどの諸説がある。 いずれにしても、 「メェー」 と鳴く羊とは関係ないようだ。

地元住民によると、 1991年に 「羊」 という名前にひかれて東京から登山者が訪れたこともあった。 03年にも多くの人が訪れたほか、 未年でなくても、 登る人が見られるようになったことから、 住民らが道標を取り付けるなど、 登山道の整備も行っている。

「羊」 「未」 という名前がつく山は、 北海道の 「羊蹄山」、 新潟県の 「未丈ヶ岳」、 そして篠山の 「羊ヶ嶽」 ほどしかないとされ、 干支の名が付く山を登ろうとするハイカーにとって、 貴重な山になっているようだ。

同市宮代の井谷崇明さんによると、 未年でハイカーが増えることを予想して、 倒木の片付けや登山道の補修を行うなどの準備を行ってきたそう。 「何もない集落だけれど、 少しでも、 宮代や大芋、 そして、 篠山のことを知ってもらうきっかけになればうれしい」とにっこり。 12年に一度、 多くの人が群れるひつじの山に期待を寄せている。

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