荒木城跡へ案内板設置 文化遺産生かす 篠山市・細工所自治会

2015.01.29
ニュース丹波篠山市

荒木城跡の本丸跡に案内板を設置する住民ら=兵庫県篠山市細工所で

兵庫県篠山市細工所自治会 (粟野章治会長、 34戸) は、 同集落の山城 「荒木城跡」 を広く知ってもらおうと、 国道から山の上の同城跡へと続くコース上の14カ所に案内板の設置を計画。 25日には、 同自治会住民約40人が集まって、 山の中のコース10カ所に案内板を立てた。 粟野自治会長は、 「荒木城跡は、 篠山市の戦国時代を物語る重要な遺跡。 この地域の文化遺産を生かして集落の活性化を図るとともに、 住民の皆さんが地域の魅力を再認識し、 ふるさとを誇りに思う気持ちにつなげていけたら」 と話している。

案内板の大きさは、 縦30センチ、 横80センチで、 白色のプラスチック板に 「荒木城跡 あと約30分」 などとプリント。 防腐処理を施した高さ1・4メートル、 12センチ角の支柱にボルトで留めている。

住民らは、 スコップやなた、 大きな木槌、 チェーンソーなどを案内板とともに携え、 山の上の荒木城跡を目指した。 自治会役員らが事前に計測して決めておいた案内板設置ポイントに深さ約40の穴を掘り、 支柱を埋設して案内板を立てた。 また、 コース上の倒木や枯れ木などを片付けたり、 急な斜面には階段状に地面を削って足場をつくるなどした。

同日、 午前10時ごろまで濃い霧が発生していたため、 同城跡の本丸跡からは雲海が見られた。 その絶景に住民らはしばし作業の手を休め、 「荒木城も天空の城やで。 竹田城に負けへんほどの眺めや」 などと笑い合っていた。

荒木城跡の標高は約400メートル。 登山口からの高低差は約170メートルあり、 たどりつくには約35分間の登山を要する。 同集落の住民らは、 元日の初日の出を拝みに同城跡に登るのが慣例になっているという。 今後は同城跡からの眺望をさらに良くするため、 本丸跡周囲に生い茂る木々の伐採も計画している。

 

荒木城】戦国時代に丹波地方で活躍した荒木氏綱 (うじつな) によって天文年間 (1532―55年) に築かれた山城。 細工所城、 井串城とも呼ばれている。 氏綱は八上城主・波多野秀治の家臣のひとりで、 「荒木鬼」 の異名を持つ猛将として恐れられていた。 織田信長の命による明智光秀の丹波攻めでは、 明智軍を何度も撃退したとされるが、天正5年(1577)に始まった2度目の丹波攻めで激戦の末に落城した。

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