兵庫県丹波市が2013年度に発注した化学消防ポンプ自動車の入札をめぐり、 業者に事前に予定価格を教えたとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された同市消防本部 (同本部総務課付) の松尾恒伸被告 (47) と、 落札した消防車両製造 「モリタ」 の元社員で無職、 水本裕二被告 (35) の初公判が3日、 神戸地裁であった。 2人はいずれも起訴内容を認めた。
同入札には10社が参加、 開札は13年8月28日に行われ、 モリタ大阪支店が5350万円で落札した。 予定価格は5430万円だった。
検察は冒頭陳述などで、 消防車両などの入札事務を担当していた松尾被告が、 12年度に実施した水槽付化学ポンプ車の入札が予定価格超過のため再入札になったことを上司から叱責され、 13年度に実施する化学消防ポンプ自動車の入札は1回で落札者を出さなければならないと考えるようになった、 と犯行に至った動機を明らかにした。
本部内で評判がよいモリタ社の製品がよいと考えた松尾被告は、 水本被告に相談しながら同社が有利になるような仕様書案を作成。 7社から参考見積もりをとり、 予定価格の設定に至った。
水本被告から予定価格を何度も聞かれていた松尾被告は開札前の8月22日、 1回で落札してほしいとの思いから同価格を教え、 水本被告は利益を確保しつつ確実に落札できる額を設定したという。
次回公判は3月10日。