管理職の意識改革促す 丹波市職員不正問題 丹波市会百条委

2015.03.22
ニュース丹波市

 兵庫県の丹波市消防本部の不正入札事件などを調査していた同市議会の百条特別委員会 (西本嘉宏委員長、 7人) が3月19日、 最終報告書をまとめた。 市消防本部の不正入札事件においては、 管理職の業務指導、 業務管理に対して 「責任が希薄」 と指摘し、 さらに 「深刻なパワハラの実態がある」 と明言。 管理職教育による意識改革、 パワハラに関する調査の実施と改善などを求めている。 27日の本会議で西本委員長が報告し、 委員会を解散する。

 同事件は、 当時の副課長が係長に指示し、 本来契約すべき業者とは違う業者に見積書を提出させ、 契約したもの。

 報告書では、 副課長の名前を出すだけで納入業者の対応が一変したことをあげ、 「正常な取引上の関係とは言えない」 としたほか、 前消防長が本部内部の問題として収めようと指示したことを 「明らかな隠ぺい行為」 と指摘。 さらに若手職員が不正行為を正そうと上司に訴えたのに聞き入れなかったことをあげ、 「不正行為自体をもみ消そうとする組織的な体質がある」 と断じた。

 その上で、 管理職の意識改革と職務規律の徹底、 指揮命令とパワハラの区別を明確にして教育や訓練を行うこと、 物品購入を含む一般事務と現場の業務を兼務することの改善、 業者との関係が疑われないような購入手続きや検査の手法の改善―などを意見として示した。

 水道部職員による不正事務処理も含め、 市に対して 「問題点の指摘や改善意見を真摯に受け止め、 再発防止と市政への信頼回復のため、 万全を期するよう」 要望し、 結んだ。

 同調査委は、 2014年1月に設置し、 ▽水道部による不正事務処理▽マンガン流出事故・水質検査結果の隠ぺい▽消防本部の不正入札―の3件について調査した。 これまでに31回の会合をもち、 辻重五郎市長をはじめ、 関係職員、 業者など延べ43人に証人、 参考人、 説明員として事情を聞くなどした。 水道部関係の事案については、 これまでに 「中間報告」 を行っている。 調査経費は、 約179万円 (未確定)。

 西本委員長は、 「管理職に、 市民の負託に応えるという当たり前の意識が欠落していたのが最大の問題。 職員を育てるという意識をもち、 間違いは正す自浄能力が必要だ。 百条委の調査がきっかけとなり、 別の不正事件が発覚したことも成果の一つ。 今後も市政をより注視していく」 と話した。

 

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