兵庫県篠山市東新町出身のプロボクサー、 角谷淳志 (29) が4月29日午後零時半から、 大阪府堺市の 「産業振興センター」 で、 インドネシア人選手との一戦に臨む。 昨年9月に地元篠山で行われた復帰戦以来のリング。 鮮やかなKOで故郷に錦を飾った角谷は、 「今年でもう30歳。 とにかくステップアップの試合ととらえ、 東洋でも日本でも世界でも、 ベルトを狙いにいきたい」 と先を見据える。
対戦相手は、 インドネシア・ライトフライ級2位のヘングキー・バランサノ選手。 アジアタイトルマッチにも出場経験のある選手だ。
現在、 角谷は東洋太平洋、 日本ランキングともに6位。 地元戦から半年以上ぶりのリングになるが、 練習は毎日行い、 週に1度は神戸のジムにも出稽古に行くなど、 ベルトを狙う意志に陰りは見られない。
今年3月、 2度目の世界戦の話が降ってわいた。 WBC (世界ボクシング評議会) ライトフライ級王者が、 記者会見の席上で4月に行う初防衛戦の相手として角谷を名指ししてきた。
角谷が現在、 世界ランキングから外れていることや、 調整期間が短すぎることなどから立ち消えになったものの、 いまだに世界の舞台で名前が上がる位置にはいる。 本人は、 「相手からすればかませ犬と思っているだろうけれど、 それでもチャンスはまだあるということ」 と笑う。
地元篠山での試合は、 ベルトをあきらめない角谷の追い風になったようで、 「ちやほやしてもらえて、 とてもうれしかった」 と振り返る。
ただ、 ボクサーとして残された時間は少ない。 しかし、 自分からタイトルマッチができる立場にもない。 はがゆさとの戦いになるが、 角谷は、 「とにかく目の前の試合の勝ちにこだわって、 次につながるように。 今年中に大きな試合が来ることを待つ」 と気合を入れている。
【かくたに・あつし】地元、 篠山市のボクシングジム 「ロス・ロコス」 で拳を鍛えた後、 自衛隊勤務を経て2008年にプロライセンスを取得。 10年度全日本新人王。 13年、 WBC世界戦に挑むも王者にTKO負けを喫した。 同年の大晦日戦で復帰。 昨年9月には篠山でタイ・ライトフライ級1位をTKOで破っている。 現在までの戦績は20戦15勝 (8KO) 4敗1分け。