丹波市連合婦人会 (荻野洋子会長) が、 3月31日付で解散した。 役員のなり手がなく、 会員減少に歯止めがきかなかったことなどが要因。 「既婚女性のほとんどが会員という時代もあった」 (市) が、 旧町単位の支部が残ったのは柏原、 市島のみで、 会員も54人になっていた。 荻野会長ら役員が3月30日、 市役所を訪れ、 1987年から実施している 「1円募金」 で積み立ててきた福祉梅林基金1000万円を市に寄付した。
荻野会長から目録を受け取った辻重五郎市長は、 「婦人会イコール女性の代表ではなくなり、 時代のニーズと合わない状況になったのだろう。 会員が減る中でも、 いろんな面で地域のためにがんばっていただいた」 と労った。 同基金は障がい者の授産施設建設をめざして会員が積み立ててきたもの。 165本の梅が植わっている三ッ塚史跡公園にある福祉梅林の管理は今後、 市が行う。
前身の旧氷上郡連合婦人会は、 1946年10月に発足。 女性の社会的地位向上や青少年健全育成、 ボランティア活動などに尽力した。 81年には同公園内に会員らで梅の木を植樹。 82年からは 「福祉梅林のつどい」 を開催したり、 梅の実を収穫するなどして障がい者と交流。 障がい者作業所と一緒に牛乳パックからはがきを作るなどの支援活動にも力を入れた。 近年では食育活動にも取り組んでいた。
市が把握する90年度には8243人いた会員は減少を続け、 94年度には青垣地区が脱退。 市発足後も2007年度に春日、 山南が、 14年度に氷上が脱退した。 これを受けて柏原、 市島地区はそれぞれで今後のあり方を協議。 3月13日に開いた臨時総会で、 解散と基金の寄付を決めた。
柏原地区は独自の組織として活動を継続し、 市島地区も梅林の梅の世話を中心とするグループをつくる意向という。
荻野会長は取材に対し、 「氷上が脱退して2支部となり、 連合組織としては限界。 役員のなり手がなかった。 県や市の動きが分かり、 勉強になったり、 楽しいこともいっぱいあったが、 我々もそれをうまく伝えられなかった」 と振り返り、 「69年の歴史を閉じるのは名残惜しいが、 これからは女性の役割が大事な時代。 婦人会に代わるものが必要になってくるのでは」 と話している。