兵庫パルプ工業 (兵庫県丹波市山南町谷川、 井川雄治社長) は、 同社敷地内に3基目となるバイオマス発電設備を建設する。 同社の子会社 「パルテックエナジー」 が事業者となり、 来春着工、 2017年12月の稼働開始をめざす。
間伐材、 製材端材、 建築廃材、 ヤシがらを燃料として年間計21万を使用。 一般家庭で使用する電力の4万4000戸分に相当する2万2100キロワット (年間330日稼働) を発電する計画。 燃料は、 近畿各府県、 岡山、 広島などから仕入れる。 投資額は約80億円。 8人程度の新規雇用を予定。
兵庫パルプ工業は、 パルプ製造過程でできる廃液 (黒液) を燃焼させる発電設備 (3万8700キロワット) を設け、 1993年から関西電力へ余剰電力を販売し始めた。 2004年には建築廃材などを燃料とするバイオマス発電設備 (1万8900キロワット) を新設。 2基の売電収入は年間約25億円で、 年商の約2割を占める。
本業のパルプは市況の波が大きいという。 一方の売電事業は国が後押ししている社会背景もあって安定していることから投資に踏み切った。 新設備が稼働すると、 3基で年間計50億円の売上を目標とする。
井川社長は、 「ゆくゆくは木の根や皮など、 あらゆる材をバイオマス燃料として扱うことで自社の存在価値を高め、 地域の森林と林業の再生にわずかでも貢献していきたい」 と話している。