大手アパレルメーカー「アーバンリサーチ」(本社・大阪市)が展開するブランド「かぐれ」が、国指定選択無形文化財「丹波布」の商品化を検討している。手始めに9月16日に島屋京都店(京都市)にオープンする同ブランドの新店舗で、兵庫県丹波市内の作家が丹波布で作ったラグをインテリアとして飾る。ラグは、床に敷く小型のインテリア用品。同ブランドの坂田智子マネージャー(40)は、「丹波布で寝具などを開発できれば面白いのではと考えている」と話している。
作家のイラズムス千尋さん(同市春日町鹿場)が作った丹波布のラグを、店舗内の什器(じゅうき)のインテリアとして使用。販売はしないが、客の反応を見るという。
「かぐれ」と丹波布をつないだのは、アパレル業界出身で、現在は衣食住に関するコーディネート会社「NIKI」の代表を務める喬木(たかぎ)リエさん(35)=同市柏原町柏原。数年前に移り住んだ喬木さんは、丹波市の伝統工芸に興味を持ち、都市部に発信しようと同社を立ち上げた。
「かぐれ」は今春、喬木さんのコーディネートで、「丹波竹かご同好会」(同市春日町鹿場)と共同制作した「丹波の竹かごバッグ」を販売。上品なデザインが人気で、特別な日の贈り物として購入した客も多かったという。
坂田さんは、「かぐれ京都タカシマヤ店」のオープンに当たり、京都に近い丹波市の伝統工芸品を使った商品の開発を検討。喬木さんに声をかけたところ、丹波布の紹介を受けたという。