丹波市が水あふれ解消策の検討を始めた(仮称)北柏原川(柏原排特水路)沿いの農地(兵庫県丹波市柏原町母坪の国道176号柏原バイパス沿い)で、パチンコ店が出店準備を進めていることに関し、氷上町生郷自治振興会(里尚会長)と柏原町新井自治協議会(田原邦夫会長)が20日、開発業者に対し母坪周辺の住民に計画説明会を開くよう促すことや貯水対策を進出許可条件にすることを求める要望書を、丹波市の辻重五郎市長に提出した。
予定地は、北柏原川と柏原バイパスに挟まれた農地(約6000平方メートル)一帯で、増水時に遊水地となっていた。
市が同川のはん濫防止策を検討するために今月初会合を開いた「管理検討委員会」は議論が始まったばかりで方向性が定まっていない。予定地は、同川を挟んで氷上工業団地の調整池と向かい合わせにあり、調整池と合わせて川の水を一時貯留する施設を整備する適地の一つと目されていた。
里会長は「北柏原川と高谷川の浸水防止柵(パラペット)を撤去し、水があふれる懸念が高まっているところに、また大型開発。周辺自治会が安心できるような協議を」と求めた。
辻市長は、「水の行き先がなくなり、あふれるようなことではいけない。大事な問題。よく考える」と応じた。
市は事前協議の中で、開発業者に、水問題への対応を考えるよう指示するという。開発予定面積が1万平方メートル以下のため、調整池の設置は不要。農業振興地域の網はかかっていない。市が策定を進めている特定用途制限地域の指定地域案に含まれており、条例施行後はパチンコ店の新規出店はできなくなるが、未施行の現時点では規制がない。