まちの可能性引き出す
今春オープンした「たんば黎明館」を、丹波市から指定管理を受けて運営している株式会社まちづくり柏原。同社は2000年の設立以来、黎明館をはじめさまざまな事業を展開し、柏原の活性化に貢献してきた。会社の設立時からかかわってきた荻野さんは10年前から2代目社長を務める。「柏原の中心市街地はまだまだ可能性を秘めている。その可能性を引き出し、現実化していくのが私たちの使命」と話す。
大型店の出店、ロードサイドへの出店などによって全国的に進んだ中心市街地の沈滞化を解消するため、1998年度、中心市街地活性化法が施行された。この法律に基づき、122名の出資者からなる民間会社として「まちづくり柏原」が設立された。その後、第3セクター化を図り、TMOとしての活動を始めた。TMOとは、地域をマネージメントし、活性化を図る組織のこと。
同社の事業の柱のひとつが、空き店舗や古民家などの活用・再生を進めていくテナントミックスで、これまでにレストランや菓子店など計11店をオープンさせた。ふたつ目は町並み整備で、城下町の風情にふさわしい景観づくりを進めてきた。
同社設立から15年。事業展開が停滞した時期もあった。しかし、今は違う。「来春には、中心市街地活性化基本計画の2期計画の認定を内閣府から受ける予定。2期計画にまで進んだTMOは全国で2割程度に過ぎない。現在の事業展開は順調で、黒字になる見込みも出てきた」という。「柏原への入込客を増やすことで、丹波市内の各地に人の流れを促し、市全体を盛り上げたい」と今後を見据える。67歳。