都市部で里山体験や里山保育を実施しているNPO法人が4月から、旧雲部小学校(兵庫県篠山市西本荘)に拠点を移し、年間を通したプログラムを展開する。同施設を運営するくもべまちづくり協議会の梶谷郁雄会長は「かつての小学校に子どもが増えて賑やかになる。都市部との交流がさらに広がる良い機会になる」と期待している。
拠点を移すのはNPO法人「風の楽舎」(三田市)。同法人のスタッフは、幼稚園の体育教師や料理研究家、元保育士、元建築設計士、主婦など。それぞれの得意分野を駆使し、「親子が一緒に旬のものを楽しめ、チャレンジ体験ができる場に」と、年間を通して、有機無農薬栽培の野菜・米作りや、クラフト作り、遊び場づくりなどを行っている。
2007年から神戸市北区の貸し農園「風キャビン農園」の利用者有志が、同農園近くの山を切り開き、参加親子と一緒に里山体験や冒険ひろばなどを展開してきたのが同法人の始まりで、その後、利用者有志らが法人を立ち上げた。切り開いた山は、神戸市の幼稚園、保育園が自然活動カリキュラム「里山保育プラン」としても利用してきた。
「神戸の拠点が出来上がり過ぎるほどに完成したため、自分たちをいったん更地に戻せるフ
ィールドを探そう」と、適地を探していたところ、旧雲部小学校を見つけ、くもべまちづくり協議会の了解を得て新たな拠点とすることにした。
拠点場所は、雲部公民館裏の広場。4月から始める里山体験プログラム「日曜親子教室」は、山野草摘みや田植え、ソーメン流し、稲刈り、みそ作りなどを予定しており、年間で全11回行う。すでに畑や薪置き場、堆肥場をつくるなど、プログラム参加者を受け入れる準備を整えている。米作りは東吹で行う。
参加費は大人2人までと子ども(5歳―小学6年生)1人の計3人で5万5000円(分割は月5000円)。子ども1人につき、月500円の追加。同伴の4歳以下は無料。篠山、丹波両市からの参加も可能。定員15家族。申し込みは、同法人の山中保さん(090・3351・8836)。これまでの取り組みなどは同法人のホームページ(http://www13.plala.or.jp/kazenogakusha/)。