兵庫県篠山市は1月31日、ハートピアセンター(細工所)で原子力発電所の事故に備え、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の事前配布を始めた。主に城東、多紀の両地区の住民を対象に午前と午後の2回に分けて開き、計283人に1029人分を配布した。2月28日までの計6日間は3―18歳の子どもと、その世帯を対象に、3月3日―同26日の計8日間は19歳以上の一般向けにも配布する。
事前に配布された、体質が服用に適しているか否かを問う問診票の記入を受付で確認。ホールで全参加者が集まった後、市役所市民安全課職員と、兵庫医科大学ささやま医療センター放射線科医師の井上淳一さんから、▽安定ヨウ素剤は外部被ばくには効果がなく、早期の避難が必要▽3歳未満は今回配布する丸剤ではなく、緊急時に市役所などで配布する液体を服用する▽効果は服用後24時間―など、服用の注意事項の説明を受けた。その後、来場した順番に別室で保健師や薬剤師、医師による問診を受け、安定ヨウ素剤を受け取った。
市は受付などで職員約30人、問診などで保健師、薬剤師、医師計7人体制で配布に備えた。