村の恩人の遺徳を偲ぶ「意春祭」が3月13日、兵庫県丹波市氷上町市辺地区で催され、多くの参拝者で賑わった。意春坊の墓の前では、読経が流れるなか、お参りの列が続き、意春坊の功績を歌に託した「意春坊燦燦」の歌声が響いた。
今から約400年前、豊臣秀吉に攻められて三木城が落城。戦火を逃れた意春坊が、市辺の里で一夜の宿を求めて以来住みつき、加古川の度重なる氾濫に困り果てていた村人を助け、堤防の修復や護岸工事、道路工事などを、領主の別所吉治の援助を得て取り組んだ。村の平穏を願って亡くなった江戸時代の寛永19年(1642)2月5日(旧暦)を命日としており、今は3月の第2日曜に祭りを行っている。