今年も満開 稲荷古墳の山桜 春日町長王

2016.04.10
ニュース丹波市

古墳の上に根を張る稲荷古墳のヤマザクラ=兵庫県丹波市春日町長王で

兵庫県丹波市の天然記念物に指定されている「稲荷古墳のヤマザクラ」(同市春日町長王)が今年もきれいな花を咲かせた。例年なら、里の桜が咲いたあとに咲くことが多いが、今年は里と同時で、気象変動の影響もありそう。

丹波市文化財課によると、「山すそにひっそりとまつられる稲荷神社に、約1500年前に作られた古墳があり、古墳の石室の天井石を抱え込むように根を張っている」という珍しい景観。幹周り4・8メートル、樹高約30メートル。大きさは市内最大で、樹齢も最古とされ、県内でも3番目に大きいヤマザクラ。花びらは全体的に白く、外側が薄桃色なのが特色。地元の長見、天王両自治会が管理している。

農作業をしていると、ヤマザクラを見に来る人に道を尋ねられるという、長見自治会長の松本昇さんは、「車を止めてから歩く道が、災害で崩れるなどしており、周辺整備や駐車場の整備も課題。古くから親しまれてきた桜なので、地元で力を合わせて守っていきたいし、各方面の支援もお願いしたい」と話している。

丹波市観光協会の「かすが観光案内所」に、遠方からの問い合わせもあり、古墳の上で花を咲かせる珍しい光景が話題になっている。

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