「第43回篠山春日能」(同実行委員会など主催)が4月9日、国指定重要文化財の春日神社能舞台で催された。満開の桜が彩る会場に約600人の観客が集まり、時折吹き乱れる桜吹雪の中で伝統芸能を満喫した。
能「杜若」「春日龍神」と、狂言「昆布売」の3演目を上演。観世流能の大槻文藏さん、梅若万三郎さん、大蔵流狂言の茂山七五三さんらが出演した。
「杜若」では、杜若の精が雅やかな衣装で舞いを披露するクライマックスのシーンの最中、突如花散らしの風が吹き、会場は舞い散る花びらで淡いピンク色に染まった。観客らは、自然が織りなす演出に、より一層際立った幽玄な世界にしばし酔いしれた。